来客時の和の作法。玄関からお迎えしてから気をつけること

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来客があることがわかっているときはチャイムが鳴ったら、すぐに玄関に出るのが常識。
わざわざ自宅まで来ていただいたという事に対して、感謝の気持ちを伝える意味でも笑顔で迎える方が好印象を与えます。
そこからお客様を部屋に案内してからは、相手の緊張感をほぐしながら、できるだけ楽しい時間を過ごしていただけるように配慮するのが和の作法です。
お茶の出し方から、お帰りの際のお見送り方まで知っておくと、自分に対する相手の印象も変わるかもしれません。

約束の時間が近づいたら、女性ならエプロンをはずし、メイクをチェックするなど、来客を迎える準備を整えます。
迎える側はあまり着飾らず、シンプルな中にも上質感のある服装を心がけましょう。メイクも控えめが上品です。

「ピンポーン」玄関のチャイムが鳴りました。
チャイムが鳴ったらできるだけ早く出て、ドアを開けてお迎えします。
お客様によっては、家族揃って玄関に出てお迎えするようにします。

オートロック式のマンションなら、マンションの玄関口でコールがあったら、前もって自宅のドアを開いて玄関先に立ち、お迎えすると好印象でしょう。

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もし来客が、脱いだ靴を揃えなかったら、すぐに揃えてあげる方がいいのか?

お客様のなかには、うっかり靴の向きを変えないまま、客間に向かってしまう方もいるかもしれません。
こんなとき、お客様の見ている前で向きを変えるのは、目の前で間違いを指摘するようなことになり、たいへん失礼です。

その場合はお客様を客間にお通ししてから、茶菓の支度にいくときなどに玄関にまわり、さりげなく向きを直しておくようにします。

お客様に「玄関先で失礼します」といわれたら、無理に誘わない

和の作法で言うところのもてなしの極意は、自分がそうされたら嬉しい、と思うようにふるまうことです。

忙しい中で、ちょっと立ち寄ったというときなどに、しつこく「どうぞ、おあがりください」といわれれば、誰でも困るでしょう。
お客様が「玄関先で失礼します」という場合、一度引き止めたうえで遠慮されるのなら、それ以上はしつこく誘わないほうが賢明です。
玄関先で用件をうかがうだけにして、「今度はぜひ、ゆっくりお訪ねください」といって送り出すようにしましょう。

お客様を部屋に案内した際には、お茶と挨拶、どちらが先か

お客様を客間に案内したら、まず、挨拶をすませます。
ただし、本題はお茶の後。挨拶がすんだら、「ちょっと失礼します」といって立ち、茶菓を用意します。

和室にお通しした場合は、挨拶の後に、必ず、「どうぞ、お楽になさってください」と言葉を添えるようにします。
挨拶のときにいただいたお土産は、このとき奥に持ち運びます。
置きっぱなしはとても失礼なので気をつけましょう。
格式の高い家なら、お土産を床の間の端に置くこともあります。

普段飲んでいるお茶よりも、おいしいお茶をお出しするのが気づかい

日本茶には、煎茶、番茶、ほうじ茶、玉露、抹茶など多くの種類があり、それぞれ適した茶葉の量、湯の量、湯の温度、抽出時間があります。

ここでは、お客様にお出しする機会が多い煎茶の入れ方を紹介しましょう。
煎茶は、香りやうまみ、色を引き出すために、低めのお湯(約70度)で、抽出時間を長めにするのが、おいしくいれるポイントです。

①お湯は沸騰させてから、適温まで冷ますのが基本。
熱湯をいったん茶碗に注いでから急須に移すと、湯を冷ますと同時に茶碗を温めることができます。

②急須に適量の茶葉(5人分で10グラム、2~3人分なら1人約三グラム)を入れる。

③適温になった湯を注ぎ、蓋をして1分待つ。
このとき、急須をゆすると苦味や濁りが出るので、ゆっくり待ちましょう。

④茶碗に注ぐときは、濃さと量が均等になるように廻しっぎし、最後の一滴まで注ぎきる。

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お茶をのせたお盆はテーブルに載せない

お茶は別室でいれたものを出すのが基本。
親しい方なら、急須、ポットを盆にのせ、お客様の目の前でいれてもいいでしょう。

お茶をのせたお盆は、お客様のテーブルに置いてはいけません。
洋室でサイドテーブルがあればその上に置いて、茶碗と茶托をセットします。
なければテーブルの隅に置くようにしましょう。

和室に入る場合は、お盆をいったん畳に置き、正座をして襖を開けます。
お盆を先に室内に移し、自分は両手と膝でにじるようにして室内に入って襖を閉めます。
このとき、お客様にお尻を向けないように、体を斜め向きにするとしぐさが美しく見えます。お盆を持ってテーブルに近づき、お盆を畳の上に置いて、お茶をお出しします。

両手でお出しすると上品になる

お出しする順序は、おしぼり、お菓子、お茶の順。

来客から見て、お菓子が左手、お茶が右手にくるように並べます。
茶碗の正面が来客の正面にくるように気をつけましょう。
お出しするのは必ず両手で。右手に持って左手を軽く添えると、きれいで上品な印象です。

コーヒーや紅茶はお客様の好みを聞いてから

お客様の中には、コーヒーや紅茶が苦手という方や、制限している方がいらっしゃるかもしれません。
せっかくおいしいコーヒーを用意しても、召し上がっていただけないのでは残念。
だから、あらかじめお好みをうかがうようにしましょう。

砂糖やミルク、レモンなども好みがありますので、カップの受け皿に添えるか、別のお皿で出すようにします。

冷たい飲み物にはコースターを使う

暑い夏などは、冷たい飲み物がいちばんのおもてなしです。
グラスの飲み物をお出しするときは、先にテーブルの上にコースターを置き、その上にグラスをのせます。
ストローを添える場合は、袋のままグラスの手前に置きます。

手土産を一緒にいただくときは「おもたせですけれど」

お土産は、お客様が帰るまでに開けるものです。

最近は、いただいたその場で開け、喜びを表現するのが作法という考え方も増えてきましたが、目上の人や年長者の場合などは、控えたほうがいいこともあります。雰囲気で適切に判断しましょう。

ケーキや和菓子、果物などは、あらかじめ用意していたお菓子のほかにお出しし、「あんまりおいしそうなので、おもたせですけれど、一緒にいただきたくて」などといって、自分もいただきます。
冷やしたほうがおいしいものなら冷蔵庫へ入れておき、お茶をいれ替えるときなどにお出しすればいい。

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お茶のお代わりをお出しする目安は30分

お茶をお出ししてから30分ぐらいしたら、お代わりを出すようにします。

お代わりは「もう一杯、いかがですか」などと声をかけて、畳の上の盆やサイドテーブルに用意した急須、ポットから新しいお茶を注ぎます。

①茶托ごと茶碗を下げ、茶碗に残ったお茶は湯こぼしなどに捨てる。
②お茶を注ぐときは茶托からはずし、お茶を注ぎ、茶碗の底を軽くぬぐって出す。

別室でいれ替えたお茶を出すときは、新しくお茶をいれた茶碗を用意し、いままでの茶碗と置き換えるようにするとスマートです。
客用の茶碗の予備がない場合は、「お茶を差し替えてまいりますね」と声をかけて、茶碗を下げ、別室でいれ替えたものをお出しします。
このとき、日本茶をお出ししていたら、次は紅茶やコーヒーをお出しするなど、お茶を変えるのも心づかいです。

「そろそろ、お食事の時間ですね・お時間のご都合はいかがですか」

お招きするときに「お食事をご一緒に」などと約束をしていなければ、原則として、食事を出さなくても失礼にはなりません。
ただし、話が楽しく弾んでいるようなら、相手の都合をうかがってみるようにします。

「そろそろ、お食事の時間ですね。お時間のご都合はいかがですか。よろしければ、何かご用意させていただきますが」などといえば、いかにも帰ってほしいという感じもなく、失礼にはあたらないでしょう。

ただし、目上の方、年長者の場合は、お寿司などを頼み、準備が整ったところで、「お食事をご用意させていただきました」といってお出しするほうがいいでしょう。
うなぎは意外に好き嫌いがあるので、相手の好みを知っている場合以外ははずしたほうが無難です。
店屋物を用意した場合、吸い物などは手づくりすると、いっそうの心くばりが伝わります。

ペットは原則として客前には出さない

最近は三世帯に一世帯はペットを飼っているそうです。
イヌ、ネコなどのペットは自分にとっては子どものようにかわいくても、人によっては苦手という場合も少なくありません。
なかにはアレルギーの人もいますから、原則として客室には出入りさせないようにします。

イヌやネコが客間に入りたがってチョロチョロしたら、「動物はお好きですか?」などと尋ねて、お客様の了承を得てから、連れてくるようにします。

しつこく引き止めない

「そろそろ失礼します」とお客様が切り出したら、「まだ、よろしいでしょう」と一度は引き止めるのが作法。
それでも、帰りますといわれたら、「そうですか」と引き下がり、部屋を出る前に、訪問とお土産をいただいたお礼をもう一度、丁寧に述べます。
「トイレはよろしいですか」「お忘れものはありませんか」などと、相手の立場に立った気配りの言葉をかけると、いっそう行き届いた配慮を示せます。
しつこく引き留めるようなことはやめておきましょう。

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お見送りは玄関まで、マンションならエレベーターホールまで

玄関先ではお客様が靴を履き終えるのを待ち、お預かりしたコートを、軽く広げて着せかけます。

お見送りは一般的には玄関まで。
家族が在宅している場合は、家族が顔を揃えてお見送りすると好印象。
目上の方の場合は、玄関の外、門まで出て、マンションならエレベーターホールに出て、エレベーターに乗り込むところまで見送ります。

相手が玄関を出たとたんにガチャリと鍵を締めたり、門灯を消すのは絶対にしてはいけません。
お客様の姿が見えなくなるまでお見送りするぐらいの心づかいがほしいものです。
少なくとも数分おいて、お客様が「忘れものをしてしまいました」などと戻る可能性がなくなってから、戸締まりをします。

以上、来客時の和の作法。玄関からお迎えしてから気をつけることでした。

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