古稀から百賀まで。これからの長寿大国日本

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日本には、60歳の還暦のほかに、多くの長寿の祝いがあります。
医療の発達した現在では、60歳以上の寿命をもっ者が多くなりました。だから60歳で年寄り扱いされるのを嫌がる人も多い。

そのためにこれからは、70歳を祝う「古稀」以降の長寿祝いがさかんになっていくものと思われています。

古稀は、中国の唐代の詩人、杜甫(712~770)の「曲江詩」の、次の一節にもとづく祝いごとです。

「人生七十古来稀なり」古稀の祝いは、江戸時代の知識人のあいだではじまり、庶民に広がっていきました。
戦乱がなく多くの人が経済的に安定した生活を送っていたこの時代には、健康に気づかって70歳以上の長寿を得る者がふえてきたためです。

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平和になると年長者を尊ぶ社会に

江戸時代の人びとは、朱子学(南宋代の朱豊が起こした儒学の一派)の忠孝の教えにもとづいて、年長者をたてて生きていました。

そのために知識層の間で、長寿を祝う行事がいくつかつくられたそうです。

77歳を喜寿、80歳を傘寿、88歳を米寿、90歳を卒寿として祝ったのです。さらにその上に、99歳の白寿、100歳の百賀がくる。

このような長寿祝いは、急速に庶民に広がりました。

当時は地域の人びとが、こぞってその地域の長寿者を尊敬し、幸運にも寿命に恵まれた老人が、一日でも長生きするように願っていたからです。

どこかの村落で、米寿、傘寿などの祝いがひらかれると、近在の村の人びとが、長寿に恵まれた者の顔を一目見てその運をもらいたいと集まってきたという。

現在の医療の急速な進歩によって、二度目の還暦である120歳の長寿祝いを受ける者が出ることも夢ではなくなりました。

私たちは多くの者が長寿を祝福する気持ちで、老人に接する社会をつくりたいものです。

長寿祝いの名称と由来

◎還暦(かんれき)61歳
干支は十干と十二支の組み合わせからできているものとされています。この十干と十二支の組み合わせは60種類あり、自分の生まれた年と同じ干支が回ってくることで生まれ変わりを意味しそれがちょうど六十一歳の時になうと言われています。
生まれ直すという意味から、赤ちゃんをイメージする赤い頭巾やチャンチャンコが贈られます。
還暦の呼び方は他にも「本卦がえり」ということがあります。

◎古希(こき)70歳
古希という呼び方の由来は中国の詩人杜甫の詩「人生七十古来稀なり」からとられているとされています

◎喜寿(きじゅ)77歳
喜寿の由来は喜の文字が七・十・七と分解されることからこの名前がつけられました

◎傘樹(さんじゅ)・八十寿(やそじゅ)80歳
傘寿の傘の由来はこの文字を分解すると八・十二分解できることが由来しています

◎半寿 81歳
半寿の由来は八・十・一に分解されることから半という文字が当てられています

◎米寿(べいじゅ)88歳
米寿の米という文字が選ばれている理由は八・十・八に分解できるということが由来しています

◎卒寿(そつじゅ)90歳
卒寿の卒の文字は俗字が「卆」となっており九・十に分解できることが由来しています

◎白寿(はくじゅ)99歳
白寿の白が当てられている由来に百という文字から一を引くと九十九二なるということが由来しています。

◎百賀(ひゃくが)、百寿(ひゃくじゅ・ももじゅ)、上寿(じょうじゅ)、紀寿(きじゅ)100歳
六十歳を下寿、八十歳を中寿、とされており百歳を上寿とするようになりました

◎茶寿(ちゃじゅ)108歳
茶寿の茶は十が2つと八十八に分解できることから合計が百八になることが由来しています

◎皇寿(こうじゅ)、川寿(せんじゅ)111歳
皇寿の皇の文字は白と王に分けることができます、白が九十九の意味、王が十二という意味をもち合わせて百十一となることから付けられました。
川寿というのは川という文字が111に見えることから

◎珍寿(ちんじゅ)112歳
珍寿の珍の文字は112歳まで生きるのは珍しいということが文字の由来になっています

◎天寿(てんじゅ)118歳
天寿の天の文字が一・一・八に分解されることが由来しています

◎大還暦(だいかんれき)121歳(満120歳)
これは還暦を2回迎えた人を祝うことを表します。二度生まれ変わるというのはとてもすごいことです。ギネス記録とほぼ同じ年齢であることから世界の中でもとても長寿な方をお祝いします。

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