「神主」と「巫女」の仕事

神社に行くと神主さんや、巫女さんの姿をよく見かけます。

ご祈祷や行事がある時に神主の様子を見ていると、独特な歩き方やお辞儀の仕方など、様々な作法が在ることに気づきます。

そして巫女は奉納舞を踊ったり、両職とも修行が必要な仕事です。

身近で知っているようで、実は遠い存在で何も知らない神主と巫女という職業について学んでみましょう。

神主と巫女の仕事
目次

「神主」とは?

「神主」とは、神を祭るときに中心になって祭を行なう祭主のこと。神社に奉仕する神職の長です。

しかし、神職の中で「神主」という文字は、「大神主」という役職に見られるだけで、「神主」という呼称は実は無いのです。

「神主」という言葉は、古くは神社を代表する神職を意味しています。今では宮司とも言います。

「神主」になるには天皇の許可が必要です。

だから「神主」がいるのは大きい神社に限られていて、この制度は明治まで続いていました。

近所の神社の神職の呼び名としては使えないくらい、もともとは「神主」のポジションは高かったのです。

明治維新によって制度が変わると、人々が近所の神社の神職に対して、ある種の敬意をこめて「神主」さんと呼ぶようになり、それが祭りの現場で受け継がれてきて、今に残っていると考えられます。

「巫女」とは?

神社に欠かせない「巫女」さんは古くは祈祷を行ない、または神意をうかがって神託を告げる者で、「神子」とも記されていた存在です。未婚の少女が多かったという。

今日では神社の女性神職者全般をきしていうようになりました。つまり神社の事務的なことを担当する女性も、今では「巫女」というのです。

その「巫女」さんの実力は、神楽や、湯立ての行事で発揮されます。

神楽とは、神社の祭りなどで神に奉納する音楽歌舞・芸能のことです。

巫女は、奉納舞台で欠かせない存在です。また、湯立てというのは、神前で湯を沸かし、その熱湯に笹の葉をひたして、参詣人にふりかけることで無病息災を祈願するという行事です。それを行なうのも巫女です。

巫女の立場は、補助的神職と見られがちだが、神社になくてはならない存在なのです。

監修:神田明神, 読み手:神田明神
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神職に就職する方法

今までみてきた神職という神に仕える人たちには、どうしたらなれるのだろうか。

昔は世襲が多かったようだが、今は、神社本庁所属の神職任用資格を得れば、男女の差別なく神職につくことができます。

神職になる方法としては、神職資格取得課程を有する大学を受験し、専門の学科を卒業するのが最も一般的です。

神職資格取得課程を有しているのは「國學院大學」「皇學館大学」の2ヶ所に限られます。それぞれ神道が学べる専門学科が設置されています。ここで4年間学び、所定の単位を取得することで正階という階位が得られます。

神職養成所に入って神道を学び、神職の資格を取得するという方法もありますが、入所に関しては神社本庁からの推薦状が必要です。

大阪國學院では、神職資格取得通信課程がありますが、こちらも神社本庁の推薦状が必要です。現在仕事を持っていて、大学や養成所等に通えない事情のある神職志願者は通信課程で資格取得を目指します。

しかし、実際には資格があるからと言って神職につけるわけではなく、実際は資格がなくても親族が神職であるとか、日頃から神社の手伝いをして宮司と仲が良い人が優先されるようです。

巫女になるには、資格は必要ありません。勤めたい神社に問い合わせてみるのが一番良いでしょう。

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