拍手は神の力を招く音霊が宿る

世界を見渡しても喜びを表現したり、気持ちが高揚した時などに、人間は拍手をします。
気持ちの高まりにあわせて拍手をするというのもありますが、日本人の場合はもう一つ静かに拍手をする習慣があります。
例えば、神社なので神様に敬意を表すときなどがそうです。
拍手をすると言う習慣はいつからあったのでしょうか?

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拍手は古代日本のあいさつ

古代の日本には、神をよんで貴人を祝福するという意味で尊い人に会ったときに、手を打って相手に敬意を表す風習があったそうです。
そして相手の地位に合わせて、軽く頭を下げて手をうったり、ひざまずいてお辞儀をして拍手をしたそうです。

今ではひざまずいてお辞儀をしながら拍手をすると言う場面は見ることができません。
それは、奈良時代の直前にあたる7世紀末に遡ります。
このときの天武天皇が「中国風の立ったままで行なうお辞儀を正式の作法とせよ」という命令を出したのです。

それから、挨拶の方法が変わったのです。
拍手をするときは、特別なことがある時だけになってしまったのです。
さらに神社を参拝する作法に拍手が残されました。

神社の正式の参拝は、二礼二拍手一拝のかたちをとります。
古代には、神と貴人に対して行なわれていた拍手が、現在では神に対してだけ行なわれるようになったのです。

神を招き寄せる行為

お祝いの席などでは一本締めや三本締めという拍手が行われます。
コンサートや演劇などの始まりと終わりにも、観客が感動を拍手と言う形で表します。
祝福したい喜びを伝えたい、その高まりが無意識に拍手という行動に向かわせるのかもしれません。

前述のように拍手は、古代の神事から広まったものです。

古代の神事は、拍手によって空気を震わせることを通じて目に見えない霊魂のかたちをとる神を招き寄せる行為があります。
神前で鈴を鳴らすのも、空気を揺らして神を招くものも同じです。

神社やお寺に販売されているお守りにも小さな鈴がついています。
その鈴も神を招くものです。

コンサートや会合のときの拍手は、多くの人びとが気持ちをあわせて手を打つことによって神をよび寄せているのです。

神様は楽しいことが大好きなのです。
幸せや満たされた場所には、必ず神様が存在すると言っていいでしょう。

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