靴下をはいて寝ると親の死に目に会えない~日本の迷信~

靴下をはいて寝ると親の死に目に会えない
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寝床は神様に会うための神聖な場所

昔と比べれば温暖化になったとはいえ、冷え性の女性にとって、冬は辛い季節であることには変わりません。
夜寝る前に、布団を温めても足の冷えまではなかなか解消しません。そこで、少しでも足を保温しようと、靴下をはいて眠りにつく女性も多く、そんな女性のための機能性寝具や衣類が売られています。

しかし、昔は靴下をはいて寝ることはタブー視されていました。

足が冷たくて眠れないからと靴下をはいて寝ようとすると、祖父母などから「親の死に目に会えない」とか「早死にするから靴下は脱いで寝なさい」と言われたものです。

親の死に目に会えないというのは、「早死にする」と同じことで、自分のほうが親よりも先に死ぬことを意味しています。

なぜ、靴下をはいたまま寝てはいけないのでしょうか?

●棺に納められた遺体を連想させてしまうから

理由の一つは、白装束が関係しているからと言われています。
昔は遺体を棺(ひつぎ)に収めるときには経雌子(きょうかたびら)を着せて、手には手甲、そして足には白い足袋と草履をはかせました。
亡くなった人が、あの世への長い旅路にでても都合の良い格好をと考えて、このような装束を着せたのです。

靴下をはいて寝るという行為は、この棺に納められる遺体の格好を連想させてしまう。そのため、靴下をはくことを忌み嫌ったということらしい。

●神様に会うための正装として

もう一つ考えられるのは、日本人の睡眠観が関係しているのでは?ということ。

昔の人は、寝床に入って眠れば、神と接触することができると考えていました。
眠ると夢を見ることがありますが、それを神様のお告げと信じていました。
そのため寝床は、神様に会うことができる神聖な場所だったのです。

そのような神聖な場所に、足袋をはいたままでいるということは、神様に失礼にあたります。
そのため、寝床に入るときには靴下(足袋)を脱いで、心安らかに眠りにつくことが大切だとされていました。

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