ペットボトルが変えたお茶の飲み方
お茶といえばペットボトルで飲むもの…と言ってもいいぐらい普通になりました。
よく社会派のドキュメンタリーなどで語られますが、ペットボトル入りのお茶を開発するのはとても苦労したそうです。
お茶はとてもデリケートな性質を持っていて、急須などで入れてから数分経っただけで味が変化してしまうほどです。
ペットボトル入りのお茶なら、飲みきれない場合はキャップを閉めて何回かに分けて飲んでも1日ぐらいならそんなに風味が変わりません。
その感覚で、急須で入れたお茶がそのまま、一晩経っても、ペットポトル入りのものと同じように飲むことに抵抗のない人が増えているらしい。
お茶の性質を知っていた日本人の知恵から生まれた迷信
急須やヤカンに入れた余ったお茶を翌日に飲む…昔はそんなことをすると「宵越しのお茶を飲んではいけない」と注意されたものです。
これを年寄りの迷信だと軽んじてはいけません。科学的にも宵越しのお茶は、体に良くないとわかっているからです。
もともと、お茶は健康増進に役立つ飲料だと言われていました。
茶葉には、ビタミンCが豊富に含まれているうえに、疲労回復や利尿効果があるカフェイン、血管の壁を強化してくれるフラボノイドなどが含まれているからです。
お茶の美味しさの鍵ともなっている成分がカテキンです。
カテキンは、渋みのもととなっているタンニンの仲間の成分で、体内を殺菌するばかりか血管の収縮及び体液の分泌を抑える役割を果たしています。
食後などにお茶を飲むと爽やかな気分になるのは、主にこのカテキンの働きによるもの。
ところが、時間が経過してしまうと、茶葉からカテキンが出過ぎてしまい、逆に胃液の分泌を阻害するようになり、消化が悪くなります。
宵越しのお茶は飲まないに越したことはない。
宵越しのお茶にはうま味成分であるテアニンと呼ばれるアミノ酸が失われてしまう。爽やかな緑色も酸化してしまい赤茶けた色になります。これでは味も風情も落ちてしまいます。
昔の日本人はお茶を貴重な噌好飲料として愛してきたゆえに、お茶のおいしさ、健康へ果たす役割を経験的に知り、この言葉に託して言い伝えてきたのです。