葬儀の出棺と精進落とし

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近年まで告別式直後に、会葬者の会食が行なわれていました。
これは故人との別れの宴会とされるもので、「出立ちの膳」や「出立ちの飯」とよばれていました。

しかし現在では出棺のあとではなく、遺族が火葬場での行事を終えて帰ってきたところで会食が行なわれることが多くなっています。

この宴会は、正式には「精進落とし」などとよばれています。

会葬者は、遺族が火葬場から戻ってくるまでの二、三時間もしくは四、五時間のあいだ、待っていなければならない。

精進落としを出棺のあとに移したのは、すべての行事を終えて遺族がくつろいだところで食事をとってもらおうとする配慮から変わってきたのです。

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別れ花と釘打ち、そして出棺

告別式が終わると、棺桶をあけて遺族や故人と特別に親しい人びとと故人との、対面の儀式が行なわれます。

このときに祭壇に供えられていた花を、遺体のまわりに敷きつめます。これを「別れ花」という。

このあとで、棺桶にふたをして、ふたに釘を打ちつける「釘打ち」を行ないます。

霊魂が金槌を嫌うので、釘打ちは小石で釘を打ちます。

釘打ちのあと、棺桶を霊枢車に運びます。
このときに喪主が先頭に立って位牌を持ち、遺族の一人が遺影を持ってそれに続きます。
故人と親しい六人の男性が棺桶を担いで、あとに従います。

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棺桶は、遺体の足の側を前にして担いで、足の側から霊枢車に入れます。

このようにして、故人を送る儀式は完了します。
会葬者は、この出棺を故人との最後の別れとみて、感謝の気持ちをこめて見送るのです。

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