神社とお寺は何が違うのか?神仏習合思想とは?

神社とお寺は何が違うのか?神仏習合思想とは?

地方のお寺に行くと、首のない石仏や首だけが後付された石仏を参道で良く見かけることがあります。

これは明治時代に神仏分離運動が起こった時の名残です。現代では神社と寺は別々の宗教施設だと思われていますが、明治以前にはひとつに合体していました。

これが神仏習合といいます。

お願い事をするのは神社、死者を弔うのは寺と、現代人の多くはそう認識していると思いますが、神仏習合でもいいのではないか、という動きもあります。

今回は神社とお寺の違いについて考えてみましょう。

神仏習合思想とは?

神社と寺の違いを答えてください。

あなたがそう質問されたら、どのように答えますか?

・・・神様がいるのが神社で、仏様がいるのが神社です。

・・・神社は神道で、寺は仏教です。

たしかにその通りで正解です。でも明確な答えとは言えない気がします。

なぜこんなにモヤモヤした気持ちが、残ってしまうのでしょう。

そのモヤモヤを紐解くために、まず歴史をおっていきましょう。

最初に「神仏習合思想」を考えてみましょう。

もともと日本列島には、仏教はありません。だから、寺も存在しません。

仏教はィンドで生まれ、中国から朝鮮半島を経て6世紀に日本列島へ「輸入」されたものなので、それ以前は無かったのです。

では仏教伝来前の日本人は、どんな宗教を信じていたのでしょうか?

それが自然崇拝を中心とした民族宗教、つまり神道です。

では、神社は寺より以前から日本にあったのだろうか?

実は神社には、建物を建てるという発想自体があまりなかったので、今のような立派な社を構えたり、祠を立てたりということはありません。

巨石や巨樹、山や海や太陽や月など自然そのものを神として崇めていたので、社を必要としなかったのかもしれません。

寺の場合は、すでに552年に朝鮮半島からの渡来人が私的に堂を建て、「大唐の神を拝していた」という記録があります。

ただしこれはあくまでも私的なもので、今日でいう寺とは違います。

日本仏教における最初の寺は、大阪の四天王寺だといわれ、593年に聖徳太子によって建立されたと伝えられています。

神社とお寺はどちらが格上なのか?

日本には、神道という日本列島固有の宗教がありました。

そして仏教が伝来すると、神道と仏教、ふたつの宗教が存在するようになりました。

そのとき、歴史の授業で必ず習う物部氏と蘇我氏による「神道対仏教の論争」が起こります。

外国であればここで宗教戦争が続き、どちらかが滅びるまで争うのですが、和を尊しとする日本人は違います。ふたつの宗教を「ひとつに」しました。それが「神仏習合思想」です。

日本人は、神道の神様も仏教の神様も、本体は同じものであり、現れる場所と時間などによって名前や姿を変えているにすぎない、と解釈しました。

それで丸く収まれば良いのですが、どちらが上か(どちらがより本体に近いのか)という論争も生まれてきました。紆余曲折しながら、明治維新まで日本では仏教のほうが本体だとされてきた。

そしてその結果、神社のなかに寺が造られたり(神宮寺という)、寺のなかに神様を祀る社を建てたり、ということがごく当たり前に行われるようになったのです。

今日、寺のなかに鳥居があったり、本来ならば神道の神様であるスサノヲが牛頭天王として仏教形式で祀られていたりするのは、その名残なのです。

だから、江戸末期までの多くの日本人にとって、神社と寺を区別することはなかったのです。昔はそれが普通でした。

だから現代人が、神社と寺の区別がいまひとつよくわからなくなるのです。

神社とは神が降臨する場所

神社は神が祀られる場所、神が降臨する場所です。

しかし寺というのはあくまでも、僧侶が修行のために暮らす場所、僧侶の道場です。

神職に務める方々も修行しているから同じではないか?と思うかもしれませんが、寺が建っている場所には、古くからの神性はありません。神様が降り立つ土地でなくても良いのです。

主要な神宮寺の創建、初見年一覧

715 (霊亀元):越前 気比神宮|気比神宮寺

725 (神亀2):豊前 宇佐八幡宮|八幡神護寺

763 (天平宝字7):伊勢 多度神社|多度神宮寺

 766 (天平神護2):伊勢 伊勢神宮|伊勢大神宮寺

784 (延暦3):下野 二荒山神社|二荒山神宮寺

785 (延暦4):近江 日吉神社|日吉神宮寺

829 (天長6):若狭 若狭彦神社|若狭彦神宮寺

833 (天長10):山城 賀茂御祖神社|賀茂神宮寺

847 (承知14):尾張 熱田神宮|熱田神宮寺

855 (斉衡2):能登 気多神社|気多神宮寺

863 (貞観5):山城 石清水八幡宮|八幡宮護国寺

866 (貞観8):大和 石上神宮|石上神宮寺

885 (仁和元):出羽 大物忌神社|大物忌神宮寺

919 (延喜19):筑前 太宰府天満宮|宰府神宮寺

939 (天慶2):摂津 住吉神社|住吉神宮寺

940 (天慶3):美濃 南宮神社|南宮神宮寺

976 (貞元元):山城 北野神社|北野神宮寺

1108 (嘉洋 3):常陸 鹿島神宮|鹿島神宮寺

1135 (保延元):伊予 大山祗神社|三島神宮寺

1192 (建久 3):筑前 香椎宮|香椎神宮寺

1198 (建久 9):肥後 阿蘇神社|阿蘇神宮寺

1208 (承元 2):相模 鶴岡八幡宮|鶴岡神宮寺

1386 (至徳 3):下総 香取神宮|香取神宮寺

1555 (天文24):信濃 諏訪神社|諏訪神宮寺

1606 (慶長11):山城 豊国神社|豊国神宮寺