高円宮妃久子さまの次女、典子様と、出雲大社の禰宜(ねぎ)・千家国麿さんの結納にあたる「納采(のうさい)の儀」が4日、東京の高円宮邸で執り行われました。
千家さんが贈った品々は、皇室のしきたりに合わせ、鮮鯛、清酒、白絹布地-の3点。
これらは、木箱などに納められ、一般的な紅白の水引ではなく、神社で使われる「精麻(せいま)」と呼ばれる麻のひもが巻かれています。
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『精麻』とは?
大麻草の皮からとれる靱皮を研ぎ澄ました繊維を『精麻』といいます。
日本人が昔から“麻”と呼び、生活を支える基本素材として使われていた日本古来の麻・大麻の本領はこの精麻にあり、神道では、『この繊維こそが清めの本質』として今でも使われています。
通常、禊ぎというと「水」を連想します。神社の入り口にある手水も禊ぎのひとつです。
より強い禊ぎを行なうためには海浜の塩水を用います。その考えから清めの塩の風習が生まれました。
さらに水でも塩でも<祓えないもの>を祓う本質的な清めを行なえるものが、『精麻』なのです。
この『精麻』の原料となる大麻は、日本古来から伝わる種で、栽培がとても難しく、収穫も真夏に行う辛い作業が伴います。
神道における清浄の概念に『正直を以て清浄と為し、或いは一心不乱を以て清浄と為し』とあります。
その言葉通りの農業から生み出される、誠の麻『精麻』は日本の心そのものなのです。
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