愛情や感謝の気持ちを形にして贈るプレゼントの習慣は、世界各国共通の風習のようです。
日本では、縄文時代からすでにプレゼントを贈る習慣がありました。
12月のクリスマスや友人知人の誕生日が近づくと、いつも以上にその人を意識して、あれこれと想いを巡らせるきっかけになります。
プレゼントについて、考えてみましょう。
日本人とプレゼントの歴史
まだ稲作が定着していなかった縄文時代。
人々の暮らしは、狩猟や採集によって成り立っていました。
稲作に比べると、その生活を維持するには食糧自給の意味でも、たいへん不安定なものと考えられます。
中には獲物が少ない日や、全く採れない日もあるでしょう。
だから当時の日本人は、自分が採ったものを含めて、全ての獲物を、集団の中で分け合って生活していたのではないかといわれています。
この食料の分配が、今でいうプレゼントの原点であり、もともとは助け合いの精神から生まれた風習だとも言えます。
神様へのプレゼントという考え方
日本で農耕が盛んに行われるようになると、人々は移動をする生活をやめて、その土地に定住するようなりました。
これが村の誕生です。
食料自給が安定し、暮らしが楽になったとはいえ、天候や自然に左右されることには違いありません。
天候や災害に見舞われると、村全体が窮乏してしまいます。
だから人々は、つねに豊作でいられるようにと自然神を祀るようになります。
そして、その年にできた作物を、神様に奉納するようになりました。
神様と村人が共に祝う「収穫祭」を行うことによって、祭りが生まれます。
やがて神様へ感謝の思いを伝えるお供え物というプレゼントが、人々の間でもやりとりされるようなりました。
これが「プレゼント」という習慣の始まりです。
プレゼントの習慣は心を豊かにするコミュニケーション
共同体の中でお互いの顔色をうかがいながら集団生活をしてきた日本人は、一人の人に対してストレートに気持ちを伝えるのが苦手です。
クリスマスという行事も、宗教観を度外視しても日本人にとっては、気になる相手に気持ちをストレートに伝えることができる都合の良いものです。
プレゼントを贈り合うのは、気持ちと気持ちの交流に役立つコミュニケーションの手段になるのです。
贈る人の気持ち、贈られる人の気持ちをお互いに想いながら、今回は何を贈りますか?