近頃は、「七夕」といえばとてもロマンチックな恋愛物語の点ばかりが注目されています。
「七夕」にも深~い意味がありますよ。「七夕」はななゆうと書いて「たなばた」と読みますね。これは「棚機(たなはた)」からきています。
そして、お盆前の大事な行事でした。
棚機とは?
[棚機]は[棚機津女(たなばため)]からきてます。
この時期、水辺で布を織りながら神の降臨を待つ少女のことです。
織られた布は神様が着ます。
神の依り代として「水辺」というのが、何か意味深げです。
水垢離や昔話や伝説など神様が現れる場として、池や川、海などをよく見ますね。関係があるのでしょうか。
それは[禊(みそぎ)]です。
7月の6日の夜に神様が訪れて、7月の7日に神様は帰られます。
水辺の小屋から棚機津女が出てきて、笹やお供えものを海や川に流して穢れを祓う[七夕送り]と云われる禊を行ったのです。
七夕は「棚機津女」が神様の衣を織る
6日の夜に神様が来てくださり、7日に帰るという説もありますが、七夕の一週間後に大事な行事があるのです。そう、お盆です。
七夕は祖霊神を迎える行事のひとつだと考えられます。
お盆は仏教のイメージが強いですが、仏教が入ってくる前から神祭りの行事として、存在していたのです。
「七夕」には、日本古来の、中国の節供などいろいろな言い伝えや慣習が混ざっています。
七夕には中国からの「乞巧奠」も含まれている
「きっこうでん」と読み、巧みになることを願う儀式です。裁縫などが上手になるようお祈りした行事です。
何故裁縫かというと、これは織姫伝説に基づいています。
裁縫だけではなく、手を使う技術的なこと、書道や芸事が上達するように、と祈るのが本来の七夕の願い事です。
最近は何でも良いから願い事をするのが七夕だと思っている方も多いように感じます。
また、イモの葉の露で墨をすると習字が上手になるといわれています。
現代の七夕で一番好まれる『星祭り伝説』
むかし、天の帝に織女という娘がおりました。織女は、毎日化粧もぜず機をおって暮らしていました。
帝は織女に牽牛という、農業をしている若者と結婚させました。
二人は愛し合い幸せでしたが、愛し合うあまり、二人とも仕事をしなくなりました。
怒った帝は二人を引き離し、一年に一度7月7日の夜だけ会うことを許したのです。
このお話にちなんでか、七夕はロマンチックな恋の日と考えている人も多いのではないでしょか。