結婚すると一番悩むのが、相手の両親とのつきあい方です。
奥さんの方は、夫の母親と相性が合いにくいケースがあるみたいで、極端に敬遠する家もあるとか。
親の高齢化で2世帯住宅を考える人も増えているので、どうすれば自分や相手の両親とうまく付き合えるか、またお互いの親戚づきあいなど、そのコツを考えてみましょう。
できるだけ両方の実家と等距離で付き合う
結婚して新しい親族ができたといっても、ついつい、自分の実家のほうばかり行ったり、連絡をとりがちなものです。
夫の実家と親しくつき合うように努めるなら、自分の実家が四分か三分、夫の実家が六分か七分と考えているくらいで、心理的にちょうど等距離、等間隔になるものです。
なかには、「夫の実家には夫が連絡すればいい」と考える女性もいるようですが、特別な用がなくても、ときどき夫の実家にも電話をしたり、できるだけ訪ねるようにすると、カドが立ちません。
特に同じ県内に住んでたり、割りと近くに住んでいる場合は、信頼関係を築いておくと、先々でいろいろと助かるとことが増えると思います。
長い人生の中でも、付き合うことが長くなるので、遠慮して避けるのではなく、積極的に関わっていきましょう。
親への甘え方を見直して大人のつきあい方をする
上手に甘えるのも親孝行のうち、という考え方もありますが、原則として、結婚して自分の家庭を持ったら、「実家から独立したのだ」という自覚を持ち、甘えすぎないことです。
実家に執着したり、これという理由もないのに、物やお金をもらってくるというような態度は、夫にとってもけっしてよい感じはしないものです。
夫は家庭の家計は自分が支えているという自負があるので、プライドを傷つけないように配慮する必要があります。
実家から金品をもらってきてばかりいいると、夫としては自分が頼りないからだと思ってしまうのです。
だから実家でお金を借りた場合は、きちんと返すようにするのが、家を出て独立した人間としてとるべき態度でしょう。
両親との同居の基本は「プライバシーの尊重」
親との同居の基本は、あくまでもそれぞれの世帯は別の家族と考えること。お互いの生活に踏み入らないようにすることが大切です。
生活費はもちろん別々にします。
家事もできるだけ別にするか、分担をはっきりしておきます。
とくに、夫婦共働きを続ける場合は、「自分は仕事をしているんだから」というような気持ちから、つい親に家事や子供の世話を押しつけがちになるもの。
でも親には親の生活があることをわきまえ、できることは自分ですべきでしょう。
あるいは、家事を任せる、子どもの面倒を見てもらうことなどについて、しっかり話し合い、毎月決まったお金を渡すというのも一つの考え方です。
親への感謝の思いは、言葉で伝える
親に助けてもらっているからこそ、仕事が続けられる。子どもを置いて外出できる……。こんなことは言いたくないですが、どんなに感謝しているかは、いちいち言わなくてもわかっているはず、と思っていませんか。
「親しき仲にも言葉あり」です。
やはり、実際にねぎらいや感謝の言葉を口に出していってもらうと、うれしいものです。
何かをしてもらったら、その場で、きちんと言葉に出して、親に感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。
母の日、父の日などをないがしろにしない
実家でも婚家でも、両親の誕生日、母の日、父の日などには、ささやかでも贈り物をすると喜ばれます。
贈り主は夫婦連名に。日帰りできるくらいの距離なら、持参して顔を見せれば、いっそう喜ばれるものです。
贈り物選びは「ちょっと若め」がポイント
親への贈り物は、日頃の会話からほしいと思っているものをキャッチし、「○○がほしいといっていらしたので」などといって手渡すと、自分たちのことを気にかけていてくれたのだ、と感激されるものです。
衣類やアクセサリー、ネクタイ、マフラーなどを選ぶときは、ちょっと若い感覚のものを選ぶほうが喜ばれます。
「ちょっと派手じゃないかしら」などといわれたら、「お義母様はこのくらい、若々しいもののほうがお似合いですよ」などと言葉を添えましょう。
旅行や観劇など、一緒に行動する時間をプレゼントするのも、よいアイデアです。
両親の結婚記念日や長寿の祝いは兄弟姉妹で一緒に
子どもが結婚するような年齢になると、両親が結婚三十年、四十年を迎えるようになりますね。こうした結婚記念日や長寿のお祝いは、兄弟や姉妹が一緒に、賑やかに祝ってあげると喜ばれます。
もちろん豪華なお祝いも悪くはありませんが、なによりのお祝いは家族一同が顔を揃えることに尽きるでしょう。お嫁さんがサポートしたとわかれば、喜びもいっそうつのるはずです。
実家でご馳走を用意してもいいし、おしゃれなレストランなどでお祝いの席を設けてもいいでしょう。
親への贈り物は決まりにとらわれなくてよい
記念の贈り物も用意したいもの。
銀婚式は銀製品、還暦は赤いちゃんちゃんこなどという決まりにとらわれず、本人に喜んでもらえそうなものを選んでください。
母親や義母が還暦を迎えた場合は、赤を中心にした豪華な花束を贈るのも素敵です。
<結婚記念日>
1年目 紙婚式
2年目 藁婚式
5年目 木婚式
7年目 銅婚式
10年目 錫婚式、アルミ婚式
15年目 水晶婚式
20年目 磁器婚式
25年目 銀婚式
30年目 真珠婚式
35年目 珊瑚婚式、翡翠婚式
40年目 ルビー婚玉
45年目 サファイア婚式
50年目 金婚式
55年目 エメラルド婚式
60年目 ダイヤモンド婚式(イギリス)
75年目 ダイヤモンド婚式(アメリカ)
<長寿祝いの名称と由来>
◎61歳 還暦(かんれき)
生まれた年から61年目に、干支にの組み合わせが「還る」ので還暦といいます。還暦は、「華甲」ともいいます。これは華の文字が十が六つと一が一つあることと、干支の一番目が甲子(きのえね)というので、二つの意味で還暦となるためです。今では還暦を迎える方も多く、長寿を祝われるほどの年齢と思わない方もいるでしょう。
そういう方には「華甲」の言葉で祝うといいでしょう。お祝いの品の表書きにも「賀華甲」と書くと良いです。
また、還暦の基調色は赤ですが、干支が赤子に戻るという意味や、太陽の色、魔よけの色という意味もこめて赤を基調色としています。還暦祝いに、赤いちゃんちゃんこを贈るのはこのためです。
◎66歳 緑寿(りょくじゅ)
もともと日本百貨店協会が提唱したもので、最近できた言葉だからです。平成14年に提唱され、行政の区分で高齢者が65歳であること、また環境問題への関心の高さから緑という基調色で、緑寿が提唱されました。
◎70歳 古希(こき)
唐の詩人、杜甫の詩の一説に「人生七十古来稀なり」とあったことから70歳を古希と呼びます。
70代の基調色は紫。これは聖徳太子の時代、冠位十二階の制度で紫が最高位だったため、紫の色が基調色となっています。
◎77歳 喜寿(きじゅ)
喜寿の由来は、「喜」の草書体である「喜」が七十七と読めたことに由来します。
喜びの年ですから、別名「喜字齢」とも言われていました。
喜寿のお祝いでは祝宴が開かれることが多いようです。
◎80歳 傘寿(さんじゅ)
傘の俗字が八十に見えること、傘の書き方の多くが末広がりで、縁起が良いことからこの名が付きました。
80代の基調色は金茶です。太陽と地を表す恵みの色として、基調色に選ばれました。
◎81歳 半寿(はんじゅ)
こちらは字を分解すると八十一となることが由来しています。
◎88歳 米寿(べいじゅ)
こちらも字を分解すると八十八となることが由来しています。
祝う相手がご高齢ですので、ここからの祝い年は静かにお祝いすることも大切でしょう。
◎90歳 卒寿(そつじゅ)
卒の旧字体が九十のため、卒寿といわれています。
別名「鳩寿(きゅうじゅ)」とも言われ、これは鳩のなかに九があること、音感が似ていることから呼ばれていました。
◎99歳 白寿(はくじゅ)
「百」から一を引くと「白」、というとこから白寿と名づけられています。
基調色も白です。神事などでも用いられる厳かな色として選ばれました。
◎100歳 百寿(ひゃくじゅ・ももじゅ)
字のまま百寿。「ももじゅ」と呼ぶ方が多いです。
◎108歳 茶寿(ちゃじゅ)
茶を分解すると八十八と十がふたつあるように見えることから茶寿と呼ばれています。
◎110歳 珍寿(ちんじゅ)
珍しい年齢を迎えたことで珍寿と呼ばれます。
珍寿は110歳以上の祝い年のため、以降は毎年珍寿祝いを行っても構いません。
◎111歳 皇寿(こうじゅ)
白寿の九十九に、王を分解すると十が一つに一が二つ。
合わせて百十一なので皇寿と呼ばれています。
◎120歳 大還暦(だいかんれき)
還暦の二倍の長さ生きたこと。そしてまた干支が戻ってくることから大還暦と呼ばれています。
帰省は「お客様」ではない
双方の実家が離れている場合は、帰省の頻度がどちらかが目立って多くならないように気をつけます。夏休みと正月休みは帰省先を変えたりして、バランスをとるようにするのもアイデアでしょう。
帰省中は、「お客にきたのではない」という自覚を持ち、家事もできるだけ手伝うようにします。状況にもよりますが、長く滞在するなら、滞在費を手渡すのがマナーです。
しかし、一〜二泊程度なら、お土産を張り込むとか、買い物を手伝って、その分を支払うというような形で気持ちを示してはどうでしょうか。
両親と同居している親族への配慮
実家に同居している兄弟、姉妹やその家族がいる場合は、その人たちの生活を乱さないように配慮しましょう。
自分の子どもと同年代の子どもがいる場合は、自分の子どもだけ、新製品のゲームを持っているといったことがないように、子ども同士のつき合いにも気配りを欠かさないようにしたいものです。
両親が兄弟、姉妹と同居している場合は、ときどき両親を自宅に招き、同居の兄弟たちに息抜きしてもらうようにしましょう。
そんな折、両親の口から同居の親族の愚痴が出ることも多いもの。うっかり相槌を打つようなことは避け、芦ちりと聞き流すのが賢明なやり方です。
育児について、口をさしはさまない
これは姑世代に必要なマナーです。孫の育て方について、経験者としてつい口をはさみたくなることがあるでしょうが、世代によって価値観も異なるもの。介入はできるだけ避けるようにします。
どうしても口を出したいときは、あくまでも参考意見とし、命令したり、叱ったりしないこと。
孫の前で口にするのも絶対にタブーです。嫁や娘の側は、親や姑の言葉を「古くさい意見だ」と一蹴してしまわず、経験者の意見として尊重する姿勢を持ちたいもの。
どちらも子どもをかわいいと思う気持ちに変わりはないのだから、と考えると、うるさい周囲の意見も冷静に受け止められるようになります。