あなたは、お世話になった人にお礼状を書いていますか?
相手から何かお世話になったことがあれば、お礼状は出さなければならないと、親の習慣を見て育った人は幸せです。
「お世話になる」とは、物品をもらったり、何かお手伝いをしてもらったり、対価や労働に対しての意味ではありません。
この意味を世知辛い現代人は、勘違いしているような気がします。
形のないもの、たとえば言葉だけでも「ありがたい」と感じることができれば「お世話になった」と言えると思います。
要は、心で受け取ったことに感謝しようと思うかどうかです。
お礼状は良い言霊を相手に伝えるもの
「お世話になった」と感じたら、お礼状を出してみましょう。
なぜならお礼状は、昔から人付き合いに欠かせないものとされてきたからです。
昔は親から、なんらかのかたちでお世話になった方には、必ずお礼状を出さねばならないといわれたものです。
それには、日本人がずっと伝えてきた大切な風習が継承されています。
感謝の気持ちをこめた手紙は、相手によい言霊を贈るものとされたのです。
戦後まもない時期までの子供は、10歳前後から家庭教育で習字を教えこまれました。
「きれいな毛筆のお礼状が書けないと、他人に笑われるぞ」
などと言われて、子供たちは正座して長時間、文字の練習をさせられたのです。
そして現代は、パソコンで手紙を書いたり、メールでお礼状を送信する時代です。
でも感謝の気持ちは、永遠に変わりません。
感謝の心を伝える「お礼状の習慣」は、この先の世代にも伝えていきたいものです。
結婚、出産、入学、就職、長寿などのお祝い金やお祝いの品物をもらったとき。病気、出産、災害などのお見舞いをうけたり、お見舞い品を送られたとき。お中元、おみやげ歳暮、旅行土産などの贈答品をもらったとき。こういった場合には、できるだけ早くお礼状を出すことが望ましい。
ただし弔意に関するお礼状は四十九日を過ぎたあと、病気見舞いのお礼状は退院などのかたちで病気がある程度回復したあとに書くことになっています。
お礼状の文面は感謝の気持ちプラスαの内容で
お礼状には、「おいしいものを有難うございました」「結構な品をいただき有難うございました」といった感謝の言葉が欠かせません。
それだけでなく、その品物がどのように役に立ったかといったことを書く心遣いもほしいです。
それが感謝の気持ちを相手によりはっきりと伝えることにな
ります。
「いただいた品物を、こういったことに利用します」と、書くのもいいし、食物なら、それを味わったときの家族の感想などを書くのもよい。
日ごろあまり行き来のない知人に対するお礼状には、自分や家族の身辺の出来事も書き添えよう。「娘が今年は中学受験です」といった一言で、相手がこちらに親近感を持ってくれます。
心をこめたお礼状を書くことを通じて、お互いよい関係が続いていくことになるので、この習慣は大切に続けていきたいです。