贈り物の起源は、神様への捧げ物だった。いつまでも敬う心を忘れずに

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感謝やお悔やみなど、その方への気持ちを形に表わしたものが贈り物です。
贈り物はもともと、神様への捧げ物でした。
それがやがて、お中元、お歳暮というように、お世話になった方に贈るようになったのです。

目次

収穫物を神様にお供えし、感謝の気持ちが贈り物の始まり

贈答の習わしは、世界中のあらゆる民族に見られます。
日本はとくに盛んに行われていますが、それは日本人が昔から「人もまた神の化身」として敬う心をもっていたからです。
そのため、お世話になった人(=神)にはとくに、その敬いの心を表わすものとして、贈り物をしました。

お中元やお歳暮もこの理由を知ると、大変意味のある習慣であることがわかるでしょう。
日本人には古来より、「産霊(むすひ)」の信仰があり、これを暮らしの中心に据えてきました。

これは、新しい生命が生まれ、育ち、それが収穫されることによって、私たち人間の生命が保たれることへの感謝の心です。
また、作物の成長は、自然界と人間との共同作業であると考えました。
こうしたことから、収穫物を神様にお供えし、感謝の気持ちを表わす習慣が生まれました。
これが贈り物の始まりとされています。

贈り物はやがて、命の源である海で獲れた魚介類が尊ばれるようになり、魚介類を贈らない場合は、その代わりとしてアワビをのしたものをつけました。
それが、やがて熨斗になっていきます
今も、祝儀袋をはじめ正式な贈り物には熨斗をつけます。

もともと贈り物は、白い紙で完全に包みました。
それは、中のものもそれを受けるほうも神としていたからです。

昔は必ずお宅を訪問してお渡しすることが礼儀でした。
訪問に際しては、人様の家もまた神聖な場所と考えましたので、穢れを持ち込まないことがルール。
そのため、コートは門の外で脱ぐという礼儀作法が生まれたのです。

現在では、贈り物を配送する方が多いと思いますが、本来の意味合いと心のあり方をきちんと把握しておくことが大切です。
ただし日本と違って、欧米ではコートを着たままでお宅に入るのがマナーです。
長居をすると思われてしまうから決して脱いで入ってはいけません。

また贈り物は、欧米では贈っていただいた方の目の前で開け、その場でお礼を言うことが礼儀です。
しかし、日本では人前で開けないのが礼儀で、欧米とは逆です。
それは、まず床の間に供え神仏に捧げたことに由来します。
それから初めて開けることができます。

以上、贈り物の起源は、神様への捧げ物だった。いつまでも敬う心を忘れずに、でした。

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