お出かけ先の作法「劇場、美術館、博物館など非日常空間での常識」

たまには日常から離れて、非日常の空間を楽しむことが日頃のストレスの発散にも、気分転換にも効果的と言われます。

日々忙しい人にとっては、旅行まではできないけれど、感性のリフレッシュのために観劇や美術鑑賞を堪能するのがいいと、足を運ぶ人が増えているそうです。

しかし、日頃そういう場所に行かない人にとっては、その人の行動や振る舞いが周りの人の迷惑になっている可能性があります。

その場に応じた服装や振る舞いを、少しでも知っていればよりリラックスして楽しみことができます。

目次

観劇の心得

■観劇は「普段着」よりも「よそ行き」を心がける

普通の現代劇やミュージカル劇を観るなら、カジュアルな服装でもいい。

しかし、由緒ある伝統芸能や格式の高い劇、例えばオペラ、歌舞伎、能などを観にいくとき、どのような服を着ていけばいいのか迷うことがあります。

欧米ではフォーマルウエアが基本です。

日本ではそこまでかっちりと決め込まなくてもいいのですが、いつもよりは多少、改まった服装で出かけたほうが、周囲から浮きません。

■開演に遅刻したときは、早足・低姿勢で

開演前、それも十分に余裕ある時間に着くようにするのが基本です。

早めに席につければ、劇場の雰囲気も楽しむことができるし、何より始まる前のわくわくがより増幅されるはずです。

もし遅刻してしまった場合は、一幕が終わるまで、いちばん後ろで立って観劇します。

案内係の人が「どうぞ」と案内してくれるときは、姿勢を低くして、早足で歩いて、できるだけ静かに座るようにします。

座っている人の前を通る場合は、相手にお尻を向けないように。必ず、「失礼します」のひと言を添えて、通るようにしましょう。

■「自分の後ろの席の人」がいることを忘れずに

座席によっては、舞台が見にくいこともあり、腰を伸ばし、上半身を前に突き出して見ている人がいます。

こうすると、後ろの人は何も見えなくなってしまいます。

前の人がそれをしてしまうと、後ろの方も体をずらさないといけなくなり、それがどんどん連鎖していきます。

劇場で舞台を見るのは、テレビではないので、最前列ではない限り、どの席も多少見にくいことがあるというのを覚悟することです。

後ろの人の迷惑も考え、正しい姿勢(座席に深く腰をかけて、姿勢を低くする)で見るようにしたいものです。

それから帽子をかぶっている場合は、それも後ろの席の人には邪魔になるかもしれないので、取りましょう。

展覧会の心得

■展覧会、美術館では人の流れを妨げない

近頃は話題になる展覧会には、とても多くの人が訪れるようになりました。

平日でも1時間~3時間待ちなんてことも普通にあります。だからその場の状況に応じた行動がとても大切になります。

有名な画家の展覧会などで混んでいるときに、一つの作品の前で長く時間をとるのはマナー違反。

人の流れに従って順序よく、作品の鑑賞時間も全体の人の流れを妨げないように気をくばりましょう。

よくあるのが説明書きの前は人がよく立ち止まって、渋滞が起きるので、めぼしい絵画はインターネット等で前知識を頭に入れて置き、説明書きのところを飛ばして見たり、渋滞しているところはスルーして、空いている絵画から先に見たほうがいい。

でも本当は街の大きな美術館より、地方の美術館のほうが静かでおすすめです。

■感想や批評は場所を変えて

友人と一緒の場合、作品の前で大きな声で批評や感想を話し合うのもタブーです。できるだけ静かに見て、感想をおしゃべりするのは後ほどゆっくりとしよう。

映画館でも観ながら横の人にその先の展開を説明している人がよくいますが、あれと同じで美術館や博物館でも解説をされると邪魔になります。もし同行している方が説明好きな方なら、入る前に「説明は見終わった後で」と、きっちりと諌めておきましょう。

宿泊施設の心得

■旅館のチップの渡し方

最近は宿泊料金にサービス料も含まれているところが多いので、原則としては不要と考えていい。

しかし外国人旅行者が増えていることもあり、老舗旅館などではチップを渡す人が多いようです。

同じ渡すなら、あらかじめきれいなポチ袋を用意し、「部屋係の○○です」と部屋の担当の仲居さんが挨拶にきたときに、「お世話になります」といって、差し出します。

チップの金額の目安は、三千円から五千円くらいと考えてください。

■食器や布団は「そのまま」でよい

部屋で食事をした場合、食後に食器を重ねて置いたり、朝、寝具をたたむのは、親切心からついやってしまいがちで、それが常識と思っている人も少なくありません。

しかしこれは旅館側の手順を乱すことになり、かえってありがた迷惑な行為になります。

食べ終わった食器や、使用した布団は、そのままにしておく方が良いのです。

ただ、寝乱れたままではだらしないので、軽く二つたたみぐらいにしておくといいでしょう。

旅館の心得

■大浴場、温泉はタオルを湯船に入れてはいけない

大浴場では、まず、かけ湯をして、体をさっと流してから湯船に入るようにします。

このとき、タオルを湯船に入れるのはマナー違反です。

また、スパなどで水着を着るように決められているところ以外では、水着着用で温泉に入るのは、かえって他の人に失礼です。

入浴している客が少なくても、プールのように広い大浴場でも、泳いだり、足をバタバタさせるのはみっともないのでしてはいけません。子供を連れて行く場合は、そんな行為をしないように注意しましょう。

■シャンプーやお湯か飛び散らないように注意

ふだん、自宅の浴室しか使ったことのない人は、つい他の人への配慮を忘れがちになります。

洗髪する際は、シャンプーが周りに飛び散らないように、またシャワーの湯が隣の人にかからないように注意してください。立ったままでシャワーを浴びるのは厳禁です。

また、湯から上がり、脱衣所などで備え付けのドライヤーを使った場合は必ず、元の位置に戻しておくこと。

ホテルの心得

■ホテルの廊下は公道です

団体で利用するときなど、ロビーを占領し、大きな声で話をしている光景を見かけることがあります。

しかしホテルのロビーは公的な空間です。常に、周囲の人の存在を意識して行動するようにしましょう。

ホテル内の廊下も公的空間です。

温泉以外では、原則として、浴衣やスリッパのまま部屋の外に出るのはマナー違反と考えてください。ビジネスホテルならまだしも、普通は自動販売機を利用するときも、浴衣、スリッパはいけません。

■ホテルの備品を汚したり、壊した時はどうするか?

万一、お酒をこぼしてしまった、生理でシーツを汚してしまったというような場合、隠してこっそりチェックアウトするのは失礼です。

きちんと訳を話し、クリーニング代などを申し出ましょう。

これは日本旅館の場合も同じです。備品を壊してしまった場合もすぐに報告して、まずは謝罪します。

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