着物の美は帯結びで、さらに美しさを引き立てる

帯は和服の美しさをさらに引き立てる、和装に欠かせないものです。
特によそ行きの女性の和服には、豪華な帯が欠かせません。
帯は長い布を腰に巻き付けて、それに優雅な形の結び目をつくるものですが、その形は一つだけではありません。
なんと、287種類の結び方があると言われています。

着物の女性
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日本女性の美意識は後ろ姿で決まる

女性の和服には、明治時代に流行した、帯まくらを入れて結び目をふくらませた「たいこ結び」が用いられることが一般的です。

明治時代の芸者は、帯の結び方で一般女性の装いが美しくなってきたので、さらに美しくなろうと素人に対抗していろいろな結び方を工夫したのです。

芸者の対抗心からはじまり、現在までに278種類の帯の結び方が考案されたといわれます。

男性の和服の帯の結び方もいくつかあります。
もっとも簡単なのが片蝶結びです。
これは、帯を体に二重に回し、片方だけ蝶結びにして、結び目を背中にまわすもの。

和服の女性たち

日本人は前姿より、後ろ姿に美を意識する

日本人は古くから、自分の後方の美を意識した装いづくりをしてきました。

帯を後ろで結ぶ意味は、正面の飾りはほどほどにして背後から見られることを意識したからです。

女性の帯が華やかになるのは、安土桃山時代以後のことで、それ以前の女性は袴を用いていたので、細い布の帯だけで事足りました。

ところが安土桃山時代に小袖の着流しが広まると、太く華やかな帯を幾重にも巻いて小袖の装飾に用いるようになりました。

この着こなしを最初に用いたのは、豊臣秀吉が朝鮮出兵の本陣とした肥前国名護屋城に仕える遊女たちでした。
このような帯は、「名護屋帯」とよばれ、名護屋帯は前で結んでいました。

そして江戸時代に入って町人文化が栄えるなかで、元禄時代(18世紀はじめ)に今のような後ろ結びの帯があらわれたのです。
和装の発展のなかで、華やかな帯がつくられましたが、帯の結び目を後ろにつくるのは、日本独自の風習であることを知ってください。

着物の美は帯結び
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