淫婦(性に淫らな女性)は妊娠しない~日本の迷信~

遊女は妊娠しない?
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江戸時代の遊女にまつわる噂

江戸時代にこの迷信が生まれたと伝わっています。
淫婦(いんぷ)とは、読んで字の如く、性に淫らな女性、または江戸時代にあった遊郭の女性を指しています。

江戸時代の遊女たちは不特定多数の男性を相手に、身を売っていたのにもかかわらず、妊娠する女性が少なかったそうです。

そこから、遊郭の女性に限らず、複数の男性と性行為に及んでいる女性に対しても、この迷信か囁かれるようになったそうです。

避妊薬や避妊具が今のように無かった江戸時代に、どのようにして避妊ができたのだろうか?

乱交すると精子と精子が殺し合うので妊娠しにくくなるとか、女性の体内で精子に対する免疫力ができて妊娠しにくくなるなど、もっともらしい説が研究者の間で展開されたこともありましたが、今の医学においては的外れの説明です。

江戸時代の遊女は、なぜ妊娠しにくかったのだろうか?

現代ほど先進的な医薬品はなかったものの、遊女は避妊に関して庶民以上に気を遣っていたことがわかっています。

コンドーム代わりに和紙を腔内に入れたり、瞳内に挿入しない方法で相手をしていたようです。

さらに不特定多数の男性を相手するゆえに、性病を移されて妊娠しにくい体になってしまったり、ストレスで妊娠しにくくなったりした遊女も多かったと言われています。

昔は、結婚しても子どもができない女性は、家族や親せきから非難されることが珍しくありません。夫も非難されることもあります。
妊娠ができないと離縁されることもよくある話です。一度離縁されてしまうと、家族親せきに限らず近所の住民からも傷物としてみられて、良い縁談が来ることはありません。
子供ができない女として、ずっと悪く言われるのです。

この時代の女性がもっとも恐れるのは、子どもができないために離縁されたり、家族や近隣住民から村八分的なひどい扱いをされることです。

結婚前に数多くの男性と浮名を流すようなことをすれば、遊女のように妊娠しない体になって、自分自身が不幸なってしまうぞと、若い女性を戒めるために、この迷信が流されたというあたりが本当のところのようです。

また家族にとっては娘を良い嫁ぎ先に迎えてもらいたいと願っているので、変な噂が立たないように娘に対して気を配っていたことも理由としてあります。

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