ミョウガを食べると物忘れする~日本の迷信~

ミョウガを食べると物忘れする

ミョウガと言えば、細かく刻んで刺し身のシマやソバの薬味として、食事にアクセントを与えてくれたり、漬け物に使われたりと、日本の食卓には頻繁に登場する食材です。

ミョウガは山の日かげに生える、しょうが科の多年生植物です。夏から秋にかけて、何枚も重なった苞(ほう)の間から淡黄色の花が咲きます。この部分を「みょうがの子」「花蕾(からい)」と称し、芳香があるので固いつぼみの間に摘んで食べます。葉の若芽も「みょうがたけ」と称し食用です。

あの独特の香りとさっぱりとした辛味の風味が料理の味を引き立ててくれると同時に、食欲も湧き出できます。

しかし「ミョウガを食べると物忘れするようになる」というあまりありがたくない迷信を周囲からささやかれることがあります。

なぜミョウガを食べると、物忘れがひどくなるのでようか?

目次

インドの仏僧の逸話から生まれた変な迷信?

ミョウガに含まれる成分には、物忘れがひどくなるような働きはない。

この「ミョウガ=物忘れがひどくなる」という迷信が生まれたのは、周梨槃特(しゆりはんどく)という名の仏僧の逸話が関係しているという説があります。

周梨槃特は釈迦の弟子の一人ですが、物忘れのひどいことで有名でした。
それは自分自身の名前さえ忘れてしまうほどで、名前を書いた札を首からぶら下げても、それすら忘れてしまうほどだったといいます。
その周梨槃特がこの世を去った後、埋葬された墓に草が生えました。

人々はその草が周梨槃特の名を荷なって生えてきたとして、「名を荷なう草」という語呂合わせからミョウガ(若荷)と命名したのです。

このミョウガ誕生の物語から、ミョウガを食べると物忘れがひどくなると言われるようになったらしい。

しかし、周梨槃特はインドの人物であり、日本語の語呂合わせから生まれたというのも不思議な話です。
私たちの先人たちは、ミョウガは身体を冷やす効果があることから、食べ過ぎてお腹を壊すことを戒めるために、この話を創作したのかもしれません。

ミョウガという名前の由来で有力な説は、中国大陸からショウガとともに持ち込まれた際、香りの強い方を「兄香(せのか)」、弱いほうを「妹香(めのか)」と呼び、これが後にショウガ・ミョウガに転訛しましたというものです。

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