夜に口笛を吹くと蛇が出る-日本に伝わる迷信の意味-

長くてニョロニョロと動く蛇が苦手という人は意外といますが、同時に蛇は霊的な力を持つ生物だと信じている人も多い。

その夜に口笛を吹くと蛇が現れるという、なんとも奇妙な迷信が日本にあります。

夜に口笛を吹くと蛇が出る
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蛇の不気味さから生まれた迷信

深夜でも賑やかな都会では、古くから伝わる迷信もバカげたことだと笑われてしまいそうですが、夜になると静まりかえる地方の農村などでは、いまだに古い迷信にはちゃんとした意味のあると信じられています。

昔の人は、夜に口笛を吹くと蛇がくると考えていました。

なぜ、口笛を吹くことが「してはいけない悪い行為」と思ったのでしょうか?

日本から離れたインドには、笛を吹いて自在に蛇を操る「蛇使いの芸」があります。

猛毒を持つコブラが、笛の音に従って鎌首をもたげたり、首を揺らしたりしている姿を見たことがあるでしょう。

蛇使いが笛の動きで蛇を動かしているとも言われていますが、インドだけでなく日本でも蛇は音に敏感な動物だと信じられてきました。

そのため、静けさが支配する夜に口笛を吹いていると、その音を聞きつけて蛇が静かに忍び寄ってきて、不吉なことを招くと信じられたのです。

しかし、日本で蛇は縁起のよい生き物で、霊物の対象とされており、神仏が姿を変えて現世にあらわれたと考えられていました。とくに青大将などは家の守り神だと信じられていたようです。

でも昔は毒蛇に噛まれて死亡する人がいたことや、その姿形や動き方から、どこか不気味で恐れられてもいました。これは現代人が蛇に対して、生理的に抱くイメージと同じです。

そんな不吉な蛇を招き寄せる行為は、避けるべきだと人々が考えるのも無理はありません。そこでこの迷信が生まれたのに違いありません。

とくに、昔は電気がなく、夜中というと音もない暗闇に包まれていただけに、今よりも信逓性が増したであろうことは想像できます。

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