日和見主義、小春日和の「日和」とは?

日和見主義、小春日和の「日和」とは?

小春日和の気持ちの良い気候になりましたね。
待ちに待った遠足の日!今日は絶好の行楽日和です!
あの人は日和見主義でして、ほんとうにのんびりした方です。
意外と「日和(ひより)」っていう言葉を私も日常的に使っているのねぇなんて改めて思いました。
実はほとんど使うことがなくなったかなぁなんて思っていたけど、案外所々で使い勝手の良い言葉なのですね。
「日和」という言葉の印象は、柔軟性、適応力、状況判断力があることです。また、無理をせず、自然な流れに任せることができる点も魅力的です。

目次

気まぐれな天候を自分の都合に合わせた表現

「日和(ひより)」とは、天候や状況が自分に都合が良くなるように行動することを指します。例えば、雨が降りそうな日に傘を持っていくことや、上司の好みを調べてから自分の意見を言うことなどが該当します。

「日和」を使った例文をいくつか挙げると以下のようになります。

あの人はいつも運勢の日和を見て、上手に自分を守っている。
彼女は自分が欲しいものを手に入れるために、買い日和を窺っている。
今日は雨が降りそうだから、日和を見て傘を持ってきたよ。

一見すると「日和」はポジティブな意味合いを持っているようなイメージに捉えてしまいそうだけど、実は自分に都合が良いように行動することを言っています。まさに変わりやすい天候のようです。
おだやかで優しげな言葉のイメージの中に、いつ変わるかもしれない危うさを秘めているようなそんな言葉です。
そのため、文脈によっては注意して使う必要があります。

「天気がいい日和」や「風が強い日和」のように、「日和」を使った熟語としては、以下のようなものがあります。

晴れ日和(はれびより)
晴れた天気が続くようす。また、晴れた天気にふさわしい気候。
狐日和(きつねびより)
照っているかと思えば雨が降ったりするような天気。
小春日和(こはるびより)
初冬のいかにも小春らしい穏やかで暖かい日和。
俄日和(にわかびより)
降っていた雨が急にやんで晴れること
霜日和(しもびより)
晴れていて風がなく、霜が降りるほどの寒さがある日のこと。

密かに様子を伺いながら安穏と暮らす日和人

「日和」は「日寄」とも表現し、日(太陽が出ることは晴天に通じる)の方に寄るという意味から生まれた言葉だそうです。日和は、おだやかに晴れた空、好天の意味。また、空模様、天候の具合をあいまいに表現する使い方もあります。

天気のことわざ「朝やけは雨、夕やけは日和」は、朝やけした日は雨が降り、夕焼けになれば翌日は晴れる、の意味です。「晴れ」と断言しないところが日本人らしいです。天気がよいということから「行楽日和」「運動会日和」などの言い方もあります。

そのほか、事の成りゆきや雲ゆきなどを表すときも便利に使えます。「待てぱ海路の日和あり」とは、舟の長旅で天候をうかがい、日和を「見る」ことから転じて、時期を待つ意味を持ち、石の上にも三年と同じ意味です。
それがさらに転じて、事の成りゆきをうかがいみる意で「日和見」という言葉が生まれました。

日和見は態度をはっきり決めないことをいいますが、「日和見主義」となると、自分の都合のいいほうに就こうとして、形勢をうかがって二股かけている態度をいいます。なんだかしたたかで、詐欺師のようです。

「日和見主義」とは、状況や周囲の環境に合わせて臨機応変に行動することを目的として、決定を先送りにすることや、自分自身が明確な立場をとらずに流されるような態度をとることを指します。つまり、現実に対する積極的な行動や決定力に欠け、迷いや不安を感じることが多く、あまりリスクを取らない人のことを指します。また、時には「優柔不断」とも言われます。

寒い冬が遠のいて徐々に暖かくなってくると「小春日和」と表現することがあります。本当の春が来る前のひとときをいいます。小春とは陰暦十月をさし、立冬を過ぎてからつづく、春のように晴れた暖かい陽気をいう。

「日和」の語源

1つ目は、「日(ひ)」と「和(あわ)」の合成語であるという説。この説によれば、「日和」は、穏やかで過ごしやすい「和やかな日」を表す言葉であり、天気や気候の良い日に使われるようになったとされています。

2つ目は、「日合(ひあわ)」が転じた説。この説によれば、「日和」は、「日が合うように都合を合わせる」という意味から、「都合が良い」という意味に転じたとされています。

いずれにしても、「日和」は天気の良い日に限らず、都合の良い状況や気候を表す言葉として使われるようになりました。

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