子供がいる家庭では、子供を通して近所付き合いが始まったりします。
子供は無邪気なもので、自分の家庭のルールをそのまま他の家でも同じように振る舞ってしまい、自分の家庭の実態があからさまになってしまうことがあります。
子供を通じて思わぬところで自分が恥をかいてしまったり、ご近所の噂になってしまったり、逆に相手に気を使ってしまったりすることもあり、子供にもご近所付き合いの子供用マナーをしっかりと伝えておく必要があります。
子供が他家に遊びに行って、おもちゃを散らかしたまま帰ったり、食事やおやつをご馳走になったり、時間を忘れて長居してしまうこともあります。他人の子供を注意するのも普通は遠慮してしまうので、やっぱり自分の子供にはしっかりとマナーを伝えておきましょう。
子供がよその家に遊びにいく、よその子が遊びにくる場合
幼稚園〜小学校低学年頃までは、よそのお宅との行き来のときは親同士が連絡をとって、お互いの子供の様子を知っておくようにしましょう。
例えば日頃与えていないおやつなどがあれば、それを伝えておくほうが、後で面倒になりません。
食事をご馳走になるときは、苦手なもの、制限しているもの(アレルギーなどで)を伝えておきます。
子供が一人で帰ってきたら、「ちゃんと帰り着きました」という報告と、おじゃまをしたお礼の電話を必ず入れるようにします。
子供だけお泊まりする場合
子供はお泊りになると気持ちが高ぶって、夜に騒いだりすることも多々あります。また、長居することでその家庭に慣れて、自分の家のように振る舞ってしまい知らずに迷惑をかけてしまうこともあります。
だから子供には、わがままを言わないことや、洗面所やトイレをきれいに使うことなど基本的なマナーを言い聞かせておきましょう。
翌日迎えに行く時刻は、あらかじめ子供に伝えておきます。先方には昼食の心配や負担をかけないように、午前中に行ったほうがいいでしょう。この時に、御礼のお菓子などを持参するとスマートです。
子供が同じ家ばかりに集まらないようにする
2人以上の友達が家にやってくると結構賑やかになります。玄関にある散らかった小さな靴をみるとウンザリしてくる親もいるでしょう。
それが続くとさすがにイライラが蓄積してしまいます。
何人かの子供が誰かの家に集まって遊ぶ場合は、子供に同じ家ばかりに片寄らないように注意し、できるだけそれぞれの家に公平に行くように考えましょう。
自宅によその子がくるときは、つい何かおやつを用意してあげたくなりますが、誕生会などは別として、特別なご馳走は必要ありません。
誕生会、クリスマス会は「招かれた子は招く」ようにする
子供が主役のホームパーティーは、招く対象も子供に選ばせるなど、子供の希望をできるだけ生かして準備をします。
誕生会やクリスマス会に招いてくれた子はこちらも必ず、お招きするようにします。
しかし、あくまでも子供同士のおつき合いであることを忘れないこと。
豪華になりすぎないように気をつけましょう。
ご馳走も、カレーライス、ハンバーグ、オムライスなど、ふだんのママの得意料理をちょっとおしゃれにデコレーションするぐらいで十分です。
プレゼントをするときは、お母さん同士で、「五百円以内にしましょう」などと決めておき、品物は子供に選ばせるようにします。
招かれたときは、子供が帰ったら、親は先方にお礼の電話を入れることを忘れずに。
子供のけんかに口出しは禁物
最近は過保護な親が増えている風潮があるせいか、子供同士のちょっとしたイザコザに親が出てきて、大人の理論で他家や学校にクレームを言う人がいます。
けんかをするのも遊びのうちです。危険がないと判断できる程度のけんかなら、親は口出しせずに見守りましょう。
万一、怪我をさせてしまったら、必要な手当てをしたうえで、子供に十分に反省させ、相手の親のところに子供と一緒にお詫びに行きます。
病院に行くような怪我の場合は、治療費はこちらで負担します。また、それとは別に、お見舞い品も持参します。
どちらが悪いともいえない偶発的な怪我のとき、親はとかく自分の子供を責めてしまいがち。子供も十分にショックを受けているので、あまり責めたてず、怪我の手当てなど、必要なことを淡々と進めるようにします。
壊したものは弁償すること
けんかやふざけすぎで、おもちゃなど相手の持ち物を壊したとか、ガラスを割ってしまったというような場合は、すぐに子供に謝らせ、親もよくお詫びします。
そのうえで、同じものを買って返すか、同じものがなければ相応額を支払うようにしましょう。ガラスを割った場合はすぐにガラス屋さんを手配してください。
ただしそのことで子供を必要以上に厳しく叱ってしまうと、次からそんなことがあっても隠してしまうようになるので、叱るより理解させることが重要です。
発表会のチケットは金額を消して渡すこと
自分の子供が出演するピアノやバレエの発表会は、親にとっては晴れがましいものですが、他人にとっては、そうした思いはありません。
自分の子供が出演するからとチケットを買ってもらうのは、押し売りであり行き過ぎです。
有料のチケットを無料で差し上げる場合も、押しつけがましくならないように、十分注意したいものです。チケットに金額が書いてある場合は、その部分を消してから差し上げましょう。
チケットを受け取ってからキャンセルするよりは…
招かれたほうは、花束やお菓子を用意し、出演が終わったら楽屋に顔を出して、お祝いの言葉を述べます。
気が進まない場合は、けっしてチケットを受け取らないこと。「忙しくて、直前まで予定がわからないので」などと言葉をにごし、日時が迫った頃に、お断りの連絡をするといいでしょう。
行く気が無いのにチケットを受け取ってしまうと、相手はドタキャンされたと思い、その後のご近所付き合いが気まずくなってしまうでしょう。