上座と下座は信頼度や関係性を明確にする意味深な作法

上座と下座は信頼度や関係性を明確にする意味深な作法

上座と下座は、食事や会議などの場で、座る位置や席次を表す言葉です。一般的に、上座はその場の中心に近く、優位や尊敬を表す位置であり、下座はその反対に位置する場所で、地位や立場が低いとされる位置です。

例えば、日本の伝統的な会席料理では、主賓や年長者が上座に座り、若い者や下位の地位にある者が下座に座ることが一般的です。また、会議や交渉の場では、上座に座ることが交渉の主導権を握ることを意味し、一般的に重要なポジションとされています。

ただし、上座や下座の慣習は文化や地域によって異なります。また、現代社会では、上下関係よりも平等な立場を重視する傾向が強まっており、あえて上座や下座を意識する場面も少なくなってきています。

目次

席次の慣習が生まれた背景

日本では、平安時代に宮廷で席次を決める際に、上座に近い位置に座ることが名誉あるとされていました。

作法として確立されたのは室町時代に、床の間や池や築山のある庭園がつくられたあととされています。
和室の前の庭は、床の間を背にする席からもっとも美しくみえるかたちに設けられています。だから和室では、床の間を背にする席の中央が最上位とされています。そして、最上位に近い席が上座となり、入り口のそばが下座になります。

また、戦国時代には、武士の社会においても上下関係が重要視され、主君の前での座り方などによってもその地位が示されるようになりました。

江戸時代に入ると、武家社会の影響を受けた庶民の間でも上座と下座の慣習が定着し、食事や茶会、会議などの場で席次が重要視されるようになりました。また、茶道や華道などの芸道においても、席次や座り方が重要な要素とされ、美意識にも関係していました。

その後、明治時代に西洋文化の影響が強くなると、上座と下座の慣習は次第に薄れていきましたが、現代でも一部の場面や文化において、上座と下座の意識が残っています。

戦の緊張感が上座下座を意識づけた

日本では古くから左が上座、右を下座とする考えがありました。
何人か並んで座るときに、自分の左側にくる者が自分より格上で、自分の右側にくる者が格下となります。

これは、人間の心臓が左側にあることからつくられた席次です。
誰かの右側に座ると、相手の右手がすぐこちらの心臓を攻撃できる位置になります。しかしこちらの右手から相手の心臓までは遠い。だからこちらが危害を加える意志をもたないことを示すために、上位の者を自分の左側にすわらせる習慣がつくられたのです。

武士の時代になった時は、武士が体の左側に刀をさすようになりました。
そうなると座敷で座るときには、刀を腰から外して左側に置くことになります。これなら左手で刀のさやを取って持ち上げ、右手で刀を抜いて右側の相手を攻撃するのは簡単です。反対に、左側の相手を攻撃するのは難しくなります。だから武家社会では、「相手の左側から近寄ってはならない」という礼儀が生まれました。そして会合のときには、上位の者を自分の左側に座らせたのです。

江戸時代になると、時と場所に応じて奥を上座とする考えと、左側を上座とする考えとを使い分けていたようです。親族などの互いに信頼関係のある者の会合では、上位の者を景色のよい奥に通します。しかし気心の知れない多様な人間の集まりでは、上位の者を左側にします。

明治時代以後になると、人びとが武器を持ち歩かなくなり、奥を上座とするかたちが定着しました。そして地位の高い客が、安心してもっとも眺めのよい席に座るようになったのです。

席次を重視する場面とは?

正式な会議や式典
政府や企業、学校などで行われる正式な会議や式典では、上座と下座の席次が重視されます。主賓や役員、年長者などが上座に、一般の参加者が下座に座ることが多いです。

宴会や食事会
宴会や食事会でも、上座と下座の席次が重視されることがあります。例えば、結婚式や葬儀、接待などの場合には、主賓や役員が上座に、一般の参加者が下座に座ることが多いです。

芸能やスポーツの興行
芸能やスポーツの興行では、出演者や選手の上座と下座の席次が決まっていることがあります。例えば、歌舞伎や能楽の場合には、役柄によって上座と下座が決まっています。

文化や伝統の行事
日本の文化や伝統に根ざした行事では、上座と下座の席次が重視されることが多いです。茶道や華道のお稽古、お正月やお盆の家族の集まりなどがその例です。

これらの場面では、上座と下座の席次が社会的な地位や役割を反映し、参加者の立場を示すことがあります。席次については、それぞれの場面でのマナーやルールを理解し、適切な振る舞いを心がけることが重要です。

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