仏法を守る南方の守護神・韋駄天(いだてん)

泳ぎのうまい人を「カツパの◯◯」と呼ぶように、足の速い人を「韋駄天の◯◯」と言うことがあります。この韋駄天とは何かを知っていますか?

韋駄天

追跡されたら逃げられない神様

仏教では、帝釈天に仕え、四方を守る神を四天王といいます。

東方を守るのが持国天、西方が広目天、北方が多聞天、そして南方を守っているのが増長天です。

この増長天に仕える八人の将軍の一人が韋駄天です。つまり韋駄天とは、仏法を守る守護神のひとつなのです。

四天王にはそれぞれ八人の将軍がついているため、全部で三十二人の将軍がいるが、韋駄天はその頂点に位置します。子どもの病を除き、不老の生命を保つといわれます。さらに僧の住居の守護や、食料調達が安心出来る天と言う信仰から、禅宗寺院では伽藍の守護神として厨房に置かれる場合があります。 

韋駄天は古代インドの神

四天王の上にいる帝釈天は、インドの神話やヒンズー教に出てくるように、仏教が生まれる以前から古代インドに存在した神様です。

韋駄天も、もとはバラモン教の神で、破壊と創造の神であるシヴァ神の子どもと伝えられています。

他のバラモンの神と同じように、韋駄天も仏教の発展とともに仏の一人として取り入れられていきました。

章駄天の足が速い理由は、釈迦が涅槃の時に捷疾鬼(しようしつき)という鬼が仏舎利(仏の遺骨)を奪って逃げ、これを追いかけて取り戻したことに由来します。

韋駄天の足が速いという性質は、仏教に取り入れられてからできた話なのです。

韋駄天の御真言

オン イダテイタ モコテイタ ソワカ

韋駄天を祀る社寺

◎萬福寺(京都府宇治市)

◎乙津寺(岐阜県岐阜市) 重要文化財

◎泉涌寺舎利殿(京都市東山区)重要文化財