達磨大師の辛練極まる「皮肉」とは?
悔しい気持ちや相手が妬ましく思う時に、つい口をついて出てしまうのが「皮肉」。
あてこすりや、遠回しに相手に言う意地の悪い物言いのことで、もともとは、中国禅宗の租、達磨大師の言葉からだといわれています。
禅宗では「皮肉骨髄」と用いられます。
その意味は、「骨髄」は身体の根本であり、「皮肉」は単なる表面だけのものにすぎないこと。
達磨大師という人はギョロリとした眼光が特長で、ただでさえ威圧感を与えてしまうのですが、物言いはそれにも増して辛疎だったという。
彼は門人の意見が仏教の根本をよく悟ったものである場合には、「骨を得た」とか、「髄を得た」といって誉めました。
しかし門人の考えが浅く、悟りの心の薄いことをみてとると、それとなくしかも辛錬に「お前の得たものは皮だ」とか「お前の得たものは肉だ」と批評したという。
そこから、遠回しではあるが辛錬な批判を「皮肉を言う」というようになったと言われています。
それがだんだん悪い意味に転じて、上っ面だけを見て非難する意味をも伴うようになりました。