破天荒な性格とは?その意味は?

破天荒な性格とは?その意味は?

従来の型にはまらず自分の思うがままに行動する人を見ると「あいつは破天荒な奴だ」と言ってしまいます。
なんだか自分勝手で乱暴者のようなイメージがありますが、本当にそうでしょうか?

目次

「破天荒」とは、非常に珍しい、異例のことを表す言葉

「破天荒」という言葉は、これまでになかった斬新なアイデアや、従来の枠組みや慣習を打ち破るような行動や事件などに使われたりします。また、普段は控えめで地味な人が、意外な場面で強烈なインパクトを与えるような様子を表す場合にも使われます。

例えば、「破天荒なアイデア」という場合は、従来の常識や慣習を覆すような斬新な発想を指します。例えば、スティーブ・ジョブズが提唱した「iPod」や「iPhone」などは、当時のスマートフォンや音楽プレーヤーとは全く異なるデザインや機能性があり、その斬新さが大きな話題を呼びました。

また、「破天荒な行動」という場合は、一般的な社会的規範やルールにとらわれず、自分なりのスタイルで行動するような姿勢を指します。例えば、映画「トム・ハンクスのフィラデルフィア」で主人公が、当時HIV感染者に対する偏見が根強かったアメリカで、自分の病気を公表して法廷で勝訴するという行動は、破天荒と言えます。

破天荒という言葉は、ある種のリスクを伴う行動やアイデアにも使われますが、成功すれば大きなインパクトを与えることができるという期待感も含まれています。

「破天荒」の語源は?

「破天荒」という言葉の語源が、中国の小説「水滸伝」に由来する説。この小説の登場人物の一人である燕青は、非常に勇敢で度胸があり、常識や慣習に縛られることなく自由自在に振る舞う姿勢が描かれています。ある時、燕青が屋根から大きな鉄鎖を投げて、天を突き破るような大音響を響かせたことがありました。この姿勢から、「破天荒」という言葉が生まれたとされています。

他にも「天を破り荒れ狂う」という意味の日本の言葉「天荒(あまぐる)」に由来するという説。この言葉は、大きな自然災害や天変地異を表す言葉として使われていましたが、後に「狂気じみた、異常な様子」という意味でも用いられるようになり、「破天荒」という表現に繋がったとされています。

また、別の説では、「天を破るような勢いで、荒れ狂うような激しい様子」を表す中国語の「破風」(pòfēng)が語源だとされています。この言葉は、風の勢いが激しく、草木や建物を壊すような様子を表すとされています。

さらに「破天荒」という言葉には、こんな由来があります。
昔の中国の官吏登用試験は、とても難関なものでした。
荊周(けいしゅう)という地方からは、一人の合格者も出なかったので天荒といわれたこともあり、それが後にはじめて合格者を出したために「破天荒(不作を破った)」と話題になりました。

いずれにしても、「破天荒」という言葉には、通常の枠組みを超えた異例の行動や振る舞いを表す意味が含まれています。

「破天荒」が日本語として使用されたのは江戸時代から

「破天荒」という言葉が日本語として使われるようになったのは、江戸時代頃からだとされています。この頃には、中国の小説「水滸伝」が日本でも広く読まれ、燕青のような異端的な英雄像が庶民の間で人気を博すようになっていました。

また、江戸時代には、燕青のように従来の慣習や常識にとらわれない自由な精神を持つ人物が現れることもありました。例えば、俳諧師の松尾芭蕉は、当時の俳諧の定型化や格式にとらわれず、自然と対話するような俳諧を提唱し、その斬新さが評価されました。このような精神に通じるものがあったため、「破天荒」という言葉が広く使われるようになったと考えられます。

破天荒な人物といえば?

破天荒な人物は、従来の常識や慣習にとらわれない、斬新で自由な思考を持つ人物を指します。代表的な破天荒な人物としては、以下のような人物が挙げられます。

アルベルト・アインシュタイン:相対性理論を発表し、従来の物理学の枠組みを大きく変えた天才物理学者。
フリーダ・カーロ:メキシコ出身の画家で、病気や自身の苦悩を描いた芸術作品で知られる。
スティーブ・ジョブズ:アップル社の創業者で、コンピューターやスマートフォンなどのデジタル製品を開発し、産業の常識を塗り替えた。
ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ:オランダ出身の画家で、独自の色彩感覚と筆致で、印象派とは異なる作風を展開した。

破天荒な日本の著名人には、以下のような人物がいます。

芥川龍之介:日本近代文学の巨匠で、『蜘蛛の糸』や『羅生門』などの作品で知られる。文学の枠組みにとらわれず、自由な発想と斬新な表現で文学を刷新しました。

夏目漱石:日本近代文学の先駆者で、『吾輩は猫である』や『こころ』などの作品で知られる。漢文や英文学を取り入れた独自の文体で、日本の文学界に新しい風を吹き込みました。

北野武:漫才師、俳優、監督として活躍し、『ソナチネ』や『HANA-BI』などの作品で知られる。常識や格式にとらわれず、独自の感性で映画を制作し、日本映画界を変革しました。

安藤忠雄:建築家で、住吉の長屋、光の教会、こども本の森、などの建築物を手掛けました。伝統的な日本建築や西洋建築の枠組みにとらわれず、自由な発想で建築をデザインしています。

伊藤博文:明治時代の政治家で、初代内閣総理大臣を務めました。西洋式の文明開化政策を推進し、日本の近代化を推し進めました。また、日本初の憲法である『大日本帝国憲法』を起草しました。

これらの人物は、従来の慣習や常識にとらわれず、自分たちの思想や発想を追求し、斬新なアイデアや文化を生み出したことで、日本社会に大きな影響を与えました。

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