水辺を彩るハンゲショウ。葉の半分が白くなり、緑のカンバスに白い絵の具をこぼしたように見えるのはこの時期ならでは。
暦でいうと『半夏生(はんげしょう)』。
昼の時間が一年で一番長い夏至から数えて11日目に当たる日。
この日は農耕の節目として、農村には多彩な風習が伝わっています。
●関西では半夏生にタコを食べる。
稲の根がタコの足のように土をつかみ、すくすくと成長するように願いを込めた風習。明石市の小学校では給食にタコ料理がでます。
●半夏生は農家の休日
「半夏半作」という言葉があり、半夏生までに田植えを終えなければ実りが遅れ、収穫が半分になるということを意味します。
さらに農作業が一段落するこの日を農休日として、餅やだんご、すしなどを食べる地方があります。
●半夏生に採った野菜は食べてはいけない。
半夏生の日は天から毒気が降ると言われ、井戸に蓋をして毒気を防いだり、この日に採った野菜は食べてはいけないと言われています。
●半夏生に現れる妖怪
三重県の熊野地方や志摩地方の沿岸部などでは、ハンゲという妖怪が徘徊するとされ、この時期に農作業をしてはいけない。
●うどんの日
『うどんの日』は、1980年に香川県製麺事業協同組合が7月2日を「うどんの日」に制定。
その由来は、半夏生の風習にちなんでいます。
讃岐地方の農家では半夏生のころ、田植えや麦刈りが終わった労をねぎらう為に、うどんを打って食べる風習があり、それにちなみ「うどんの日」の由来となったとか。