仕事への意欲の度合いは、職場内での自分の周囲や仕事相手のひと言に大きく影響を受けるものです。
相手の言葉で意欲が減退することもあれば、やる気が倍増することもあります。
気持ちよく仕事をするために覚えておきたい言い回しや、避けるべき表現を紹介します。
上司と若手社員の間で交わされる社内会話編
「誰でもいいんだけど」。
入社2年目のA子さんは、この言葉を聞くたびため息が出る。仕事を頼んでくる上司がいつも口にするのです。部下を平等に扱っているという意味なのかもしれないが、一気に意欲がそがれます。
<得意分野をほめる>
「頼みごとをするときに余計な前置きをする人は多い」。
「どうでもいい仕事なんだけど」「急がないんだけど」と頼み事をする前に言う人がいます。でも言われた側は、それならやりたくないと思ってしまいます。
◎相手が「これは得意と自認しているところ」をほめながら頼むこと
たとえば手書きで封筒の宛名書きを頼むなら「あなたは字がきれいだから、ぜひお願い」と言えば、頼まれた側もやる気が出ます。
◎相手が躊躇しそうな大きな頼みごとをする際のコツ
男性には「君ならできる」、女性には「君しかいない」と伝えるのが効果的。
男性の場合、戸惑いの多くは、仕事への自信のなさです。だからまず自信を与えることが大事です。
女性で既婚社員の場合には、仕事上の責任と家族的責任が二重にかかっていることがまだ多い。頼み事に対し、両者を両立させられるかを考えるので、「君しかいない」と、若干の負担があってもあなたの他にできる人がいないことを強調することが、相手の琴線に触れます。
<愚痴が言いたいとき>
仕事をしていれば愚痴が出ることもあります。
本来は友人や家族にプライベートで話すべきだが、職場の誰かに聞いてもらわなければ仕事が手につかない気持ちになった場合、どうすればいいか。
愚痴をこぼす場合のコツは「『先輩はどう思いますか?』など質問をセットにするといい。
そう聞かれれば、先輩は頼られていると感じ、悪い気分はしない。
もっともこうした会話は、昼休みやアフター5など勤務時間外に話すのが鉄則。
最後にはお礼と共に「さすがです」「スッキリしました」などの言葉を添えよう。時間を割いて愚痴を聞いた側にとって、それらの言葉があるとないとでは大違いです。
<先輩などに嫌みを言われたらどうするか>
たとえば「あなたは部長のお気に入りだから」などと当てこすられたらどう返すか。
そんなときは「私が部長を気に入っているんです」と返せばいい。
相手は何も反論できないし、上司の耳に入ってもなんら問題はない。むしろうれしいと思うでしょう。
職場で円滑に会話をするコツは、周囲に対し「名前を呼んで挨拶」「感謝」「ほめる」の3つを言葉で表現すれば、相手の態度は軟化していくものです。
「○○さん、おはようございます」と名前がつくだけで、印象はガラリと変わります。ほめるときは特に第三者に伝えると効果絶大です。
メールも気配りすること
社内メールをやりとりする際の「言葉選び」も重要です。
「以前お伝えした通り」というフレーズは相手を不快にさせる恐れがあります。
本人は、何度も説明したとしても、上司は読んでいない可能性があり、責めている印象になります。
「よく分からないので、再度ご説明お願いします」も使わない方が良い。
この場合は「誤解を生みたくないので」と理由を加えたり、「資料作成ありがとうございます」など、まずお礼を前置きするとよい。
社内だからと気を抜かず、言葉足らずにならないことが大切です。