田舎道を歩いていると小さな祠の中に、小さな石像が祀られていることがあります。祠の中に入っていない場合もありますが、よく見るお地蔵さまと違って形が明瞭でないものが多い。
これらの石像は、道祖神といわれる地域の神様です。
地域と言っても市町村のような広い範囲でなく、集落単位の小さな範囲であることがよくあります。
この道祖神とは、いったいどんな神様なのでしょうか?
道祖神は古事記の最初の方に登場するとっても古い神様
道ばたで、二柱の神がなかよく並んでいる石像を見たことがあるだろうか。
道祖神は、周辺に存在している悪霊を退散させ、道を行く人々を守る日本古来の神です。
別名を「さえの神」という。漢字で書くと、「障の神」や「塞の神」となるのですが、道祖神と書いて、「さへのかみ」と読んでいる地域もあります。
さえの神は、『古事記』に登場する日本古来の神です。
イザナギノミコトが、死んだ妻のイザナミノミコトを黄泉の国に訪ねて、あまりのおぞましい姿に逃げ戻るとき、追いかけてきた黄泉醜女を食い止めるために投げた杖から生まれたという。
そこから、「さえの神」は、邪霊の侵入を防ぐ境にゆかりの神となりました。それが由来して、行路の安全を守る道祖神となっていったと考えられています。
道祖神の形と役割
道祖神には、よく知られている男女の像のほかに、丸石だけのシンプルなもの、男性と女性の性器をかたどったもの、道祖神という名前だけを刻んだものなど形はさまざまです。
どれも石でできているという点だけが、ほほ共通します。
形態からもわかるように、道を守るだけでなく、夫婦和合や性の神として祭られることがあります。
これは、古来の生殖や繁殖に対する土俗的な信仰と、道祖神が結びついたためと考えられます。
道祖神が石に刻まれているのは、巨岩などに神が宿るという原始的な信仰とのつながりのためかもしれない。
道祖神の祭日は、1月14日の夜。
注連縄や正月飾りを集めて焼く、全国で行なわれるどんど焼きと同じ日です。