お盆の時期になると、全国の至る所で盆踊りが行われます。
もともとは、年に一度、文字通りお盆のときに、先祖の霊がこの世に戻ってきたのを供養するために踊ることを意味します。
盆踊りの起源
盆踊りの原型は、鎌倉時代、時宗の開祖、一遍上人が広めた念仏踊りと、先祖供養が結ぴついたのが始まりのようです。
やがて、笛や太鼓でにぎやかに囃すようになり、そろいの衣装で踊るなど、変化に富んでいきました。
さらに、江戸時代になると歌や三味線なども加わり、一層、娯楽性の強い行事に発展しました。
人が集まるとどしても楽しみたいという欲求が優先されるので、人が増えるほど娯楽性が増していきます。
いろいろな盆踊り
盆踊りには、行列踊りという、列を組んで歩きながら踊る「念仏踊り」や「大念踊り」などがあります。
その代表的なものが有名な四国徳島で行われる「阿波踊り」です。
また、公園や広場などで行われる一般的な盆踊りというと、櫓を中心にして、その周りを踊る「輪踊り」です。
この踊りは古代日本で神様が降りてきたところを中心に、輪を作って踊った名残とされています。
いまでは旧盆、新盆を問わず、夏の間じゅう、どこからか盆踊りの太鼓の音や歌声が聞こえてきます。
各地方の盆踊り
【毛馬内(にしもない)の盆踊り】
秋田県鹿角市十和田毛馬内に伝わるもの。
毎年8月16~18日に開催。
揃いの半纏姿の若者たちが奏でる「呼び太鼓」の音により、踊り子が篝火を囲んで輪を作る「輪踊り」形式で踊る。
未成年の女性は彦三頭巾とよばれる黒頭巾をかぶり、成人女性は編み笠を顔を隠すように被る。
【新野の盆踊り】
長野県下伊那郡阿南町新野に伝わるもの。
毎年8月14~16日、24日の各日の夜から翌朝にかけて催される。
太鼓・笛・三味線など囃子を一切伴わずに、古風な踊りが特徴。
音頭台と呼ばれる櫓を組み、その上に音頭取り5、6名が上がり、踊り手は音頭台を中心に細長い輪を作る「輪踊り」形式で、音頭取りの歌を受け、 続く歌詞を歌い返し、踊りつつ進む。
【徳山の盆踊り】
静岡県榛原郡中川根町徳山に伝わる。
毎年8月15日の夜に催される。
風流踊と狂言から成り、夜、清めの踊りの後、一同行列になり徳山浅間神社の境内に設営した舞堂で、 「鹿ん舞」「ヒーヤイ」「狂言」の3つで構成された芸能を演じる。
【有東木の盆踊り】
静岡県有東木に伝わるもの。
毎年8月14、15日の夕刻から夜中の12時頃まで、東雲寺の境内を会場として催される。
男踊りと女踊りに分かれており、曲・振りも異なり、男女が混じって踊ることはないが、歌いながら「輪踊り」形式で踊る。
扇・コキリコ・ササラ・小さな長刀(なぎなた)を持つものや、踊りの輪にトウロウ・ハリガサと呼ばれる飾り灯籠を頭上にかざした踊り手が繰り込む「中踊り」がある。
【郡上おどり】
岐阜県郡上市八幡町で開催。
日本三大民謡踊りのひとつで400年の歴史をもつと言われている。
7月中旬から9月上旬まで2ヶ月近く開催される。
また、お盆の4日間は明け方まで踊り明かします。