猫が棺桶をまたぐと死人が生き返る-日本に伝わる迷信の意味-

猫を愛でるのは昔も今も変わらずに人気がありますが、日本には化け猫伝説があったり、人に近い存在で愛される動物だからこそ、その情が仇となって奇怪な動物として描かれたりもしました。

猫にまつわる迷信もいくつか存在しています。

猫が棺桶をまたぐと死人が生き返る
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猫は不吉な予感をもたらす生き物

「猫が棺桶をまたぐと死人が生き返る」というのは、「死人に猫を近づけるのは縁起のよくないことである」という意味で語り継がれてきた迷信です。

ヨ-ロッパでも、黒猫は魔力を持つ動物として有名です。夜間でも鋭く光り、人の気持ちを見抜いているかのように思える神秘的な眼。そして人間の気持ちを無視するかのように、いつも悠々とした行動昔の人は、猫には人智で計り知れない不思議な力が宿っていると考えていました。

日本でも昔から猫は神秘的な力を持つ動物だと信じられていました。

その代表的な例が「化け猫」です。

化け猫は、猫の体に人の魂が入り込んだバケモノです。

化け猫の存在は人々に恐怖を与えていたため、猫が死人のそばに姿を現すと、死人の魂が入りこんでしまうと考えられるようになったのです。

その結果、死人は生き返るのだが、それは人間の魂が再生されるのではなく、猫が人の姿を借りた化身であるとして恐れられたのです。

こうした言いようのない恐怖心が、猫は死人に近づけてはいけない存在として日本人の間に定着していきました。

猫に棺桶をまたがせてはいけないという迷信のほかにも、「飛び越えさせてはいけない」「死体にのせてはいけない」などの説もあります。

また、死人が猫によって生き返るというほかにも、「死体が立って歩き出す」「狂人となって蘇る」「嵐が吹く」「死者が成仏できない」などの迷信が伝わる地方もあります。

猫対策として、死体の周囲に屏風を逆さにして立てたり、遺体のそばに刃物を置く風習が残されている地方もあります。猫に対する日本人の恐怖心はかなり強かったようです。

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