塩梅、いただき立ち、いっちょうらなど懐かしい日本語の意味と語源を学ぶ

使い勝手の良い製品に対して「これは良いあんばいだなぁ」、食事の席で休養ができた時に「いただき立ちで失礼します」、「今日着てる服は僕のいっちょうらなんだよ」とスーツを自慢したり、10年間修行した家具工房から独立する際に師匠から衣鉢を継ぐなど、使うけどその言葉の由来は知らないことがあります。

普段はあまり使わないけれど、何かの拍子に口に出る言葉や、また少し年上の人と付き合った時に、話される言葉の中にちょっとした粋を感じる言葉があります。

少し昔の言葉は何気に粋な印象があり、また心配りがあるものです。

いっちょうら

塩梅(あんばい)

何か作っているときに、ちょうどいいバランスで仕上がったら「良いあんばいにできた」と言ったり、物事がうまく運んでいる時に「いいあんばいに進んでいる」と言ったりします。

「あんばい」とは、かつて基本的な調味料として用いられたのは塩と梅酢でした、つまり「塩梅」です。

そこから、料理の味加減をすることや、物事の調子や程合いのことを「えんばい」とか「あんばい」というようになりました。

ちなみに、塩と酢以外のものを入れてさらに調味した酢(甘酢、二杯酢や三杯酢など)は、「あんばいした酢」ということで「塩梅酢」「加減酢」と総称されます。

意味▼料理の味加減。また、ものごとの調子や程あい。

いただき立ち(いただきだち)

よその家で食事をごちそうになり、食べ終わってすぐに「じゃあこれで帰ります」ではあまりにも失礼です。

しかし、何かが起きて、どうしてもすぐに帰らないといけない場合もあります。

そんな時は、「いただき立ちで失礼ですが」と非礼を詫びて席を立ちたいもの。

「立つ」は出発・退去すること。丁寧でない表現として「食べ立ち」ともいう。

意味▼よその家で食事などをごちそうになって、すぐに辞去すること。

一張羅(いっちょうら)

フォーマルな場所に出かけることがあれば、普段着とは違って大切にしてきた一帳羅の洋服を着ることがあります。

「羅」とは美しく織られた薄い絹のこと。

「張羅」は一着だけのとっておきの衣服、またはそれしか持っていない一着だけの衣服の意味です。

意味▼持っている衣服のうちで一着だけの上等な衣服。また、一着だけしか持っていない衣服。

衣鉢を継ぐ(いはつをつぐ)

外資系の企業が進出してくると、仕事の作法、ものごとの扱い方はなんでもマニュアル化されます。

昨今の後継者不足やベテラン社員の定年等もあり、仕事に必要なマニュアルにしにくい技術、言葉で表現するには難しいコツや感覚を伝えることはとても難しい。

かつて、職人や芸術家の技は、師匠から弟子へと直接に一つひとつ伝えられ、残されていったものです。

弟子は相応の修業を積み、実力を認められてはじめて、その道の奥義や秘伝を伝えられることとなります。これを「衣鉢を継ぐ」という。

もとは禅宗のことばで、「衣」は僧侶の袈裟、「鉢」は托鉢に用いる鉢。師の僧が後継となる弟子に袈裟と鉢を授けたことから、仏法の奥義を伝えることをこう言いました。

意味▼師や先人から、学問や技芸などの奥義や秘伝を受け継ぐこと。

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