妊婦が火事を見ると赤アザの子が生まれる~日本の迷信~

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赤ん坊の赤アザとは?

昔は赤ん坊のことを、新芽や若葉のように生命力溢れていることからたとえて「緑児(みどりこ)」と呼びました。

しかし、赤アザの子どもと聞いても、あまり聞き慣れないのでピンときません。

医学用語で言うと、血管腫と呼ばれる症状となります。
皮虐の血管や毛細血管に問題があってできるものですが、万一、子どもに赤アザがあっても、成長する過程でたいていの場合は消えていきます。
それでも、健やかな子どもの成長を願う親にとっては、心配の種になってしまいます。

もしも大人になるまでにアザが消えなければ、人間としてまともに見られず偏見に合い一生イジメられたり、結婚ができなかったりするからです。

胎児の無事な出産を願って伝わった

医学が発達していなかった昔は、子供が7歳まで生きることは奇跡的なことでした。
だから、生まれたばかりの子どもに赤アザを発見すると大騒ぎになったという。そんな赤アザと火事を結びつけたのが、この迷信です。

この迷信の由来には、いくつかの説があります。

●燃えさかる火に対する畏怖の念

火事は、人間の生活の基盤である家屋を焼き尽くしてしまいます。
今ほど防火建材が何もなかった時代には、ほとんどの住宅は木造であり、集落の家屋は密集していました。
そして火は炭火を主に使っていたから、ちょっと注意を怠ると火事が起きやすい環境で生活をしていました。

一旦火事が起きると、炎が生き物のようにあらゆる物にその手を伸ばして燃え広がり、魔物によって周りが赤く穢されたと昔の人々は考えたのです。
魔物のような炎を、妊娠中の女性が見たら、お腹の中にいる胎児も穢れてしまい、赤い炎が胎児に影響を及ぼし、赤アザができると言い伝えられるようになりました。

●妊婦の健康を気遣った人々の優しさ

「火事と暗一嘩は江戸の華」と言われるほど、人々は火事の現場に野次馬として参加したがるもの。
しかし、何よりも安静が第一であるはずの妊婦も、火事の現場に遭遇してしまうと気持ちは否応なく高ぶってしまい、火事を近くて見たいという気持ちで、はしゃいでしまいます。
妊婦が逃げ惑う群衆の波に巻き込まれて、ケガをする危険もあります。

そんな事故が起きないように妊婦の周りにいる人々の優しさで妊娠した女性が、火事を見たさに出かけて危険な目に遭わないよう、自重させる意味で、この迷信が誕生したという説もあります。

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