マグロ丼、マグロ巻きと言わずに、どうして「鉄火」という言葉を使っているのでしょうか?
「鉄火」と聞くと、焼き入れして真っ赤になった鉄の状態をイメージしますが、その赤い色をマグロの身の色に例えたのでしょうか?
そうとも考えられるけど、実は諸説ありどれが本当かというのは確認されていません。
中でも面白い説があったので、紹介します。
賭博場のファーストフードとしてマグロが使われたから?
「鉄火丼」「鉄火巻」などと、寿司屋のメニューで使われているこの「鉄火」とは、いったいどんな意味なのか。
これには諸説があるが、次の鉄火場説がなかなか面白い。
鉄火場とは賭博場のことをいいます。
そこには、気性の激しい、勇みはやった博徒たちが集まる場所ということで、真っ赤に焼けた鉄にたとえられたことから『鉄火場』といいました。
その鉄火場では、勝負に夢中になった博徒たちは食事をする時間も惜しいもの。
そこで、勝負をしながらでも、手軽に食べられるようにと考案されたのが「鉄火巻」。
巻物にすると手を汚さずに済むので、重宝がられました。
また西洋ではサンドイッチが同様の意味で、賭博場(鉄火場)のファーストフードでした。
この鉄火巻が登場する以前に「鉄火丼」の名があり、そこでは芝えびを煮て身をほぐしたものが載せられていたことから、鉄火場で身を持ちくずすという意味をかけてその名がつけられたとする説もあります。
また、鉄砲を撃ったときに出る鉄火が「鉄火巻」に似ていたからという説もあります。
鉄火巻の作り方
①寿司飯を用意
炊き立てのごはんに1割の寿司酢を合わせ入れ、なじんだところでしゃもじで切るように混ぜ合わせていきます。
米の一粒一粒に光沢があり、寿司酢がいきわたったら、うちわで『人肌の温度』まで冷まします。
冷ましたすし飯は、ぬれ布巾をかぶせておきます。
②材料の準備
海苔は鉄火巻1本に対して全形1/2枚を使います。
キッチンばさみで半分に切っておきます。
マグロは7~8㎜角くらいの太さに切って用意しておきます。
③細巻きのご飯の広げ方
すし飯は70~100gくらいになります。
※具が少し太めになる鉄火はすし飯が少なめで結構
まずざらざらした海苔の裏側を上にして、海苔を竹すだれの上に置きます。
(置く場所は、海苔の手前の端を竹すだれの端に合わせるように)
すし飯を適量海苔の上に棒状におき、上側1~1.5cmは残すようにしてすし飯を均一に広げます。
※すし飯を手にとるときは、酢水(酢を水で2~3倍くらいに割ったもの)を手に付けながらやるとやりやすいです。
④巻き方のコツ
次に、すし飯の中央に具材を横一直線にのせます。
手前から向こう側へ、すし飯を広げていない海苔の上の端に手前を巻きつけるように海苔を動かします。
巻いたら一度きゅっと両手でしめつけて、竹すだれから取り出し、乾いたまな板などの上に移動させます。
このとき巻き終わりを下にして、数分置いてから切るようにすると、細巻きが落ち着いて切りやすくなっています。
濡れ布巾を用意して、一回切る度に、包丁をぬぐいながら切るときれいに切れます!