私たち日本人は、季節感をとても重視しながら暮らしています。
特に春夏秋冬の季節の変わり目を大切な節目として考え、心身ともに健康な状態で次の季節に移行できるようにしています。
中でも一番気にするのは、寒い冬から待ち遠しい春になる春分の日と、冬の備えをはじめる秋分の日です。
季節の節目を定めた二十四節気を知る
日本では、国民の祝日となっている春分と秋分、さらに夏至と冬至のほかにも、立春、立秋、大寒などの季節を表す言葉がしばしば使われています。
だんだん現代人でも、祝日の意味や名称も気にしない人が増えているので、日本の季節を表す言葉を知らない人が増えてきていますが、カレンダーをよく見ると記載されているものをよく見かけるはずです。
これらの一種独特な節目の名称は、すべて二十四節気にもとづいています。
二十四節気は、中国の戦国時代に考案されました。
太陰暦による季節のズレを正し、春夏秋冬の季節を正しく示すため、一年を十二の「中気」と十二の「節気」に分類し、それらに、季節を表す名前がつけられたのです。
太陽暦で生活をしている現代人には、ほとんど馴染みがありませんが、二十四節記は日本では、江戸時代の暦から採用されています。
しかし、二十四節気は、今から2600年前の黄河地方の中国の気候にもとづいて名づけられたものなので、日本の気候といまいち合わない名称や時期もあります。
そこで、それを補うため、二十四節気のほかに、土用、八十八夜、入梅、半夏生、二百十日など、「雑節」と呼ばれる季節の区分けを取り入れたのが、日本の旧暦なのです。
春分の日とは
3月21日頃を春分の日と言い、「自然を称え、将来のために努力する日」と法律で定められた祝日です。
この日は昼と夜が同じ長さとなり、古代の日本人はその自然現象に対して畏怖を感じて、自然に感謝をして春の訪れを祝福する日と考えたのです。
同時に祖先に感謝をする日として、お墓参りをする人が多い日でもあります。
秋分の日とは
毎年9月23日頃を秋分の日と言い「祖先を敬い、亡くなった人をしのぶ日」として1948年に法律で制定されました。
法律で制定される前からも、この頃は豊作を祝う自然信仰に則り、山の神様である祖先の霊を春分以前に山から里に迎え、秋分以降に里から山へ送る儀式が行われていた日でもあります。
仏教の浸透とともに今では「お彼岸の日」として定着しています。