夏に花火をしたり、キャンプファイヤーをしたり、寒い日に焚き火をしていた子供の頃は、燃え上がる炎を見ながら、妙に気持ちが高ぶったものです。
モノが燃えるという不思議さと、ゆらゆらといろいろな形に変化していく炎や、ぱちぱちと燃える音など、何もかもが興味津々で、ジッと見つめていたくなります。
そして今度は親が見ていない所で、もっと見たい、燃やしたいと思うようになり、親のライターやマッチを盗んで、小さな焚き火をしたりします。
しかしそういう行為はすぐに親に見つかるもので、こっぴどく叱られたあげく「火遊びをする子どもは寝小便をするぞ!」とたしなめられたものです。
子どもの恥じる心理を巧みに利用
年齢を問わず、危険だと言われて禁止されればされるほど、その存在に近づき、触れてみたくなります。
その危険なものの一つに火遊びがあります。
子どもは火遊びについて、何かと大人からきつく注意されます。
子ども心にいけないとわかっているものの、瞬間的に燃えあがる炎の魅力と、危険な遊びに興じる快感も手伝って、昔から火遊ぴは、子どものスリリングな遊びとして存在してきました。
そんな子どもたちを戒める意味で生まれたのが、この「火遊びをする子どもは寝小便をする」という迷信です。
しかし、なぜ火遊びと寝小便が結びつけられたのでしょうか。
主な理由の一つが、寝小便をしたときのバツの悪さ。
子どもにとって何が恥ずかしいかといって、寝小便をしてしまった朝ほど恥ずかしい瞬間はない。
布団は立派な証拠を残しており、家族全員にからかわれることを想像すると、一種の恐怖心さえ生まれます。
この子ども心を逆手にとって、家を失いかねない危険な遊びをしないよう、寝小便と火
遊びを結びつけて子どもを戒めようとしたという説が有力です。
よくある大人が子どもに仕掛けた、脅迫めいた心理戦と言えます。
この迷信のリアリズムを論理的に証明しようとした説もあります。
その一つが、火遊びはたいがい暗くなってするため、夜更かしになります。
危険な遊びをした興奮も手伝って、寝つきも悪くなりがちです。
そこでなかなか翌朝起きることができずに、つい寝小便をしてしまうという理屈です。
また、燃えあがった火を消そうとする心理が子どもに働き、消火作業をする夢を見がちになり、その火を消す水の代わりに寝小便をもらすという説もあります。
なぜ子供は火遊びをするのでしょうか?
幼児期の子どもには、火を点けたいという先天的な衝動があるそうです。
物体は生命を持つものと考え、雨・風・火のような自然の力による現象をじっと見守ることに喜びを覚えます。
大人もそうであるように、火は色・暖かみ・動きを示し、心を落ち着かせてくれます。
また、火は燃えると一気に広がるにも関らず、ひと吹きで消せてしまう、魔法のように不思議な存在です。火に興味を持つことは、子どもとしてごく当たり前です。
少年期になると、火に対する考え方が変わり、ヒーローが悪者を倒す最後の武器として描かれることも多くなります。
そのため少年達は、その強い力に魅了されていきます。
火遊びという行為に、はっきりとした喜びを持つとともに、注意深く取り扱わなければ危険なものだということも認識します。
子供の火遊びを防ぐために
◎子どもだけで火を扱わせないようにしましょう。
◎子どもは火の危険性に対して十分な認識がないことが多く、安易に火を取り扱わせることは危険です。
◎子どもの手の届くところにライターやマッチを置かないようにしましょう。
◎家や車内などにライターやマッチを放置せずに、厳重に管理しましょう。
◎火の怖さを教えましょう。
◎子どもがライターなどで火遊びをしているのを見かけたら、すぐ注意して止めさせましょう。
子どもたちが理解できる年齢になったら、火の怖さや火の取扱方法について、教えるようにしましょう。