相手のお宅に訪問するのに、手ぶらで行くというのも気持ちが落ち着かないものです。ちょっとしたものでいいので、手土産を持って行く方がいいかもしれません。
一般的に手土産は、お菓子やお酒など<消えてしまうもの>がいいと言われています。訪問先の相手の家族構成や好きなもの、日頃の生活ぶりを想像しながら切なものを選ぶようにしましょう。
手土産は「残らないもの」なら安心
相手との関係性にもよりますが、老舗など有名店のものか、話題の店のものなど、相手のために吟味したという印象が残る物を用意できれば、さらにいいでしょう。
やめておいたほうが無難な手土産
どんなに時間がない場合でも、訪問先の近くで求めた物は、いかにも間に合わせという印象になってしまいます。
また、他家からのいただき物をそのまま持っていくのは言語道断。よほど親しい間柄でも、自分で用意した物とは別に、「これはいただき物なのですが、お好きだとうかがったので、よろしければ……」と告げて、手渡すようにします。
手づくりのケーキやクッキーは仲の良い友人同士ならきっと喜ばれるはず。ですが、目上の人や格式のあるお宅を訪問する場合は避けましょう。
「つまらないものですが」という言葉は、相手を馬鹿にしたように聞こえてしまう
手土産を渡すのは正式の挨拶の後です。風呂敷や紙袋から取り出し、風呂敷や紙袋を軽くたたみ、品物の正面を自分に向けて置きます。
それから、時計回りにまず九十度、さらに九十度回して、正面を相手に向けて両手で差し出します。
このとき、「つまらないものですが…」とか、「お口汚しですが」というへりくだった表現よりも、「最近、話題のお店のものです。お口に合うとよろしいのですが……」とか、「土地の名産です。どうぞ、お召し上がりください」などという言葉を添えるほうが現代的で、印象もいいものです。
ただし、目上の人に対しては、「ささやかなものですが」「心ばかりのものですが」というような言葉を添えるようにします。
氷菓や生花などを持参したときは、玄関先で中味を伝えて手渡し、すぐに冷凍庫に入れるなど、適切な対応をしてもらうようにします。