神が依頼したくなる引越し業者はドコ?

現代の日本人は交通インフラが発達しているから、北海道から沖縄、海外でも住処を変えることができます。
でも移動が限られて、自然をご神体と信仰していた古代の日本人には、ご神体を移動するという考えは無かったと思います。

でも土地を開墾したり、新天地で新生活をおくりたい、やむを得ない事情で引っ越しが必要になるなど、人間の生活には移動がつきもの。
そこで「神様も一緒に来てください」とお伺いを立てる風習が生まれました。

霊山の麓に住んでその姿を朝に夕に拝んでいた人々や、神聖な森や樹木の下で毎年感謝と祈願の祭りをくり返してきた人々が、他の土地に移住して、霊山や森の姿を恋しく思い、新しい土地でもお祀りしたいと思うのは、自然な感情かもしれません。 

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神様を引っ越しする方法

本来は動かすことができないご神体を、どのようにして移したのでしょう?

そこで考えられたのが「分霊」。
ご神体の一部を神の依代として、神の霊を分けて別の場所に移動するという考え方です。

だから日本各地には、同じ名前の神社や分社と呼ばれるところがたくさんあるのです。
そいうところには「ある地の神木の枝を持ってきて挿したら根づいた」という話が各地にあります。

神社でも、伊勢の神宮の正殿の真下に立てられる「心御柱」のように、一本の柱を神の依り代として神聖視している場合が多い。
依り代となる柱は、霊山や鎮守の杜から切り出された木で、諏訪大社の御柱祭は、柱立ての儀式そのものが祭りとなったものです。

神霊の分霊、移動を盛んにしたのが「御幣」

手に持てる程度の木の棒に、白紙を何度も折り返した「しで」をたらしたもので、「みてぐら」とも呼ばれるものがあります。

これは「手に持って移動できる神の座」という意味があり、自在に移動できる依り代となります。

そして神社の祭りには御幣がつきもので、お神輿の中に御幣そのものを鎮座させたり、神の乗る神馬の鞍に、御幣を立てる地方も多い。

この御幣によって、祭りのときに、神が氏子の住んでいる地域を巡幸することができると考えたのです。

そして御幣を手に持つ者が、神の指令を受けた者、神の代弁者と見なされるようになり、祭りの奉仕者の中で最も重要な役と考えられるようになりました。

モバイル携帯型神社になって、分社が無数に拡散

神を手のひらサイズの御幣にお迎えできるようになり、神霊の移動が容易になり、神社の分社が盛んになりました。

例えば、八幡神社、春日神社、八坂神社、賀茂神社、鹿島神社、諏訪神社、白山神社、天神社などは、全国に何千、何百とあるのもそのお陰です。

本殿の他に末社を設けて名のある多くの大社の神を勧請する、というのは日本の信仰の大きな特色かもしれません。

日本人は、その土地の神である、鎮守さま、氏神さまの御心に逆らうことなく、色々な神を迎えて祀ることができるのです。

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