参拝の作法「二拝二拍手一拝」
神社にお参りしている時にも、昔から伝わる参拝の作法があります。
何か困ったことがあったり、不安に感じることがあったりする際に、普通に人に相談する際には礼を尽くすと思います。
そうしないと、話も真面目に聞いてもらえませんよね? 神様に対しても同じです。
目に見えない存在だからと、粗末な態度でお参りをして、お願い事を相談したところで、聞いてもらえません。
目に見えない存在だからこそ、常にこちらを見られているという意識を持って、敬虔な態度で参拝するのが作法です。
神社の本殿に立つ前の作法
神社の入口には、石や木で作られた鳥居が建っています。この鳥居の意味をご存知ですか?
鳥居は俗界(私達の世界)と神域を区切る結界です。だから俗界から神域に入る参拝者は身を正し、清棒な心でもって鳥居をくぐらなければならないのです。そのための作法が決められています。
◎鳥居をくぐるときの作法
上体を少し前に屈して(お辞儀をする)、敬意を表わします。
この浅い「礼」を「揖(ゆう)」といい、「揖」は「拝」につぐ「礼」です。
◎鳥居から社殿に続く参道の歩き方
社殿に鎮座する神の正面にあたる参道のまん中を歩くのは避け、両端のいずれかを静かに歩くのが礼儀です。
◎手水の作法
神社の境内には「手水舎」という手と口を浄めるところがあります。
石などでできた水盤に水がたたえられていて、柄杓がおかれています。
参拝する前に必ず立ち寄って、手を洗って口をすすぎます。
これは禊が簡略化されたものと考えてください。禊とは、水で身についた罪やケガレなどを除くことです。
「手水舎」では、
①右手で柄杓に水を汲み、左手を浄めます。
②柄杓を左手にもちかえて右手を静めます。
③右手に柄杓をもちかえ、左手の掌で水を受けて口をすすぐ。
④再び左手を浄めます。
⑤最後に柄杓を斜めにして柄に水を流し、もとの位置にもどしておく。
より丁寧な作法は、手水舎に入る前とあとに、軽く礼をすることです。
そして柄杓に直接、口をつけるのは作法違反になるので注意してください。
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◎祈願の作法
社殿の前に立ち祈願をするさい、費銭を饗銭箱に入れるのは神への供物の代わりです。
そのあと鈴を鳴らしますが、これは、これから祈願しますという神への合図のようなものです。
また、鈴には除魔の霊力があると信じられているので、神事には欠かせません。参拝の際には、鳴らすほうが好ましい。
続いて「二拝二拍手一拝」をします。
出雲、宇佐には「四拝四拍手」もありますが、一般には二回拝んで、二回手を打ち鳴らし、最後にもう一回拝むのです。
手を打つのは、和合の証しだといいます。
立ち去る前にもう一度、拝礼をして完了となります。