生活風俗に迫る浮世絵から江戸の面影、画面にあふれる物語を感じてみませんか

浮世絵の見方といえば、絵師の画業に光を当てた内容が多いものです。
そこで見る浮世絵も喜多川歌麿、葛飾北斎、歌川広重と有名な絵師ごとに作品を見比べながら、画風を眺めるという見方をみんなしています。

とこが最近、浮世絵を違う観点から見る動きが流行しています。
浮世絵に描かれた生活風習を読み解き、江戸時代の人が絵に感じた思いに迫まって体感してみようという見方です。

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衣装から美人を解読してみる

浮世絵とは、何を描いてきたのかのだろうか?
写真のない時代に、当時の庶民の生活を映し出したものが浮世絵です。

浮世絵をいろいろな観点で見ていくと、生活や風習、風景などの事実がよくわかります。

現代で言うグラビアアイドル写真集にあたるのが<美人画>です。
今でも多くの浮世絵の美人画が残っています。

でも現代人が美人画をぱっと見ただけでは、「着物を着て日本髪を結った昔の美人」というぐらいしか分からず、どんな時代のどんな女性を描いたのか、見分けがつきません。

従来の浮世絵の解説でも、「粋筋の女性」とか、単に「美人」とだけ記して、特定を避けるケースが多々あってよくわかりません。

美人画は大きく分けると、官許の遊郭だった吉原の遊女と、江戸市中の盛り場にいた芸者や踊り子、それに市井の娘に分かれます。

美人画を眺めながら、描かれている衣装や持ち物、しぐさなどの特徴を読み解き、どこのどんな女性だったか、可能な限り想像力を膨らませてみると面白い。

浮世絵は江戸時代に生きる人々に関する多くの情報量を含んでいる

浮世絵は、非常に情報量の多い絵画だです。
しかしそこに描かれた風習の検証は、あまり進んでいません。

江戸時代の日本人が、絵に向けた視線に近づくには、ある程度の時代の暮らしぶりの情報が必要です。

その入門書になりそうな浮世絵の風習に注目する出版物も出ています。

「別冊太陽 浮世絵図鑑」(安村敏信監修、平凡社)は、夏の着こなしや着物の柄といったモードの紹介や美人像の変遷などを解説したテーマ別の浮世絵入門書で、従来の絵師主体の解説書とは趣を異にしています。

浮世絵図鑑: 江戸文化の万華鏡 (別冊太陽 日本のこころ 214)

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江戸の庶民文化の豊かさが浮世絵で見えてくる

ukiyo浮世絵を生活風習へ注目して見えてくるのは、江戸が育んだ豊かさの諸相です。

「世界中で日本ほど、子供が親切に取り扱われ、そして子供の為に深い注意が払われる国はない」。これは、明治初期に来日した米国人学者エドワード・モースの観察です。

鈴木春信「蚊帳の母と子」もその一つ。まだ遊びたがる子供を寝かしつけようとする母の姿は、優しさに満ちています。

子を愛し、花をいつくしみ、繊細極まる美意識を育てた江戸文化は、その後の日本文化の土壌となりました。親が子をわけもなく虐待する事件が続く今、浮世絵に描かれた生活文化を見つめ直すのも、決して無駄ではありません。

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