おせち料理はなぜ重箱に詰めるのか?

お正月、おせち料理が詰められた重箱を開けるのは、とてもワクワクします。
おせちは年神様への供え物。詰められた家庭料理には、家族の繁栄を願う気持ちが込められ、縁起の良いいわれや、しきたりがあります。

幸せの宝箱のようなおせちの重箱には、どんな秘密があるのでしょうか?

おせち料理と重箱

スポンサーリンク

おせちを重箱に詰める理由

重箱には「福を重ねる」「めでたさが重なる」という意味があります。

昔は祝の膳に出される祝い肴を「喰積(くいつみ)」と呼びました。その言葉に由来して、料理を重詰めするようになりました。

お正月になると家を訪ねる来客も増えます。そのため年賀に来るお客様にも振る舞えるようにと、出しやすく見た目も豪華な形として考えられました。

普通の料理膳だと、食器も増えるので後片付けもたいへんだし、大皿に盛りつけるのもたいへんです。重箱を使うことで、コンパクトに収まります。

また昔はサランラップなど便利なものが無かったので、埃や虫が入らず保存もしやすいということで、重箱が普及しました。

【豆知識】祝い肴(いわいざかな)とは?

祝い膳(ぜん)に用いる酒の肴のこと。
単品のものをいう場合や、何品か盛り合わせて一つの器に納めているものがあります。
食材は、昔からめでたい魚として、タイ、コイ、エビなどが用いられました。
室町時代、食礼式ができたときには、鯨肉が最上位でした。ブリ、ボラも出世魚として人気です。
そして黒豆、昆布、田作り、数の子なども用い、また、イモ、ダイコンなどで鶴亀(つるかめ)の姿を形づくるなど形にもこだわります。

●重箱のそれぞれの段に込められた思いとは?

「めでたさや幸せが積み重なるように」という願いが込められた重箱ですが、正式な形があります。

重箱の段数は、日本の地域や家庭で違いはありますが、5段重ねで、1~4段目に料理を入れ、5段目は年神様から授かった福を詰める場所として、まだまだ幸せが入って来ますようにと空にしておきます。

また各段に詰める料理の数は、5種・7種・9種の吉数で詰めると縁起が良いとされています。

重箱は上から順に、一の重、二の重と数え、四段目は縁起が悪いとされる四を使わずに、「与の重」と呼びます。

正式には5段の重箱も、少子化や核家族化、おせち以外の料理も食べるなど、時代の変化により、現在では2~3段のものが一般的に
なりました。

●重箱の格段に詰めるおせち料理

◎一の重はお正月らしい口取り・祝い肴を詰める

・子宝に恵まれ、子孫繁栄を願う「数の子」
※ニシンの子なので「二親健在」にも通じています。

・豊作祈願を願う「田作り(ごまめ)」

・まめに働き、まめに暮らせますように「黒豆」

・ごぼうのように根を深く張り代々続くように。たたいて身を開き開運を願う「たたきごぼう」※関西の風習

・日の出(年神様)をイメージして、紅白でめでたく、魔除けの紅と清浄の白を用いた「紅白かまぼこ」。

・華やかな意の「伊達」。巻き物が書物や掛軸に通じることから知識や文化の発達を願う「伊達巻き」。

・「喜ぶ」にかけた「昆布巻」

・勝ち栗と呼ばれ、黄金色で縁起がよく蓄財につながるように「栗きんとん」。

・長寿を願う「ちょろぎ」

◎二の重は、縁起のいい海の幸を中心にした焼物

・出世魚のぶりで立身出世を願う「ぶり」。
・「めでたい」にかけた「鯛」。
・腰が曲がるまで長生きできるようにと「海老」。

◎三の重は、山の幸を中心に、家庭円満を願った煮物

・穴があいていることから、将来の見通しがきくようにと「れんこん」。

・子芋がたくさんつくことから、子孫繁栄を願った「里芋」。

・頭となって出世をするようにと、さらに子芋がたくさんつくので子孫繁栄として「八つ頭」。

・大きな芽が出て「めでたい」、子球がたくさんつくので子孫繁栄として「くわい」。

・根を深く張り代々続く繁栄を願う「ごぼう」。

◎与の重は、日持ちがする酢の物や和えもの

・紅白でめでたく、祝いの水引にも通じ、根菜のように根を張るようにと「紅白なます」。

・菊は邪気を祓いと不老長寿の象徴として「菊花かぶ」。

◎五の重は控えの重

年神様から授かった福を詰める場所として空っぽにしておくか、家族の好物や予備の料理などを入れます。

正月行事のことわざ

●門松の一夜飾りはいけない
十二月三十一日ギリギリになって、あわてて門松を飾ってはいけないということ。正月は年神様がやってきて、その年の幸運を授けてくれる大切なときなので、きちんと準備をしなければいけないという戒め。日本人がいかに正月を重要なケジメのときと考えていたかがわかる。

●門松は冥途の旅の一里塚、めでたくもあり、めでたくもなし
一休禅師の有名な言葉。門松は正月の象徴であって、正月を迎えるということは、めでたいことだが、それだけ歳を重ね(昔の歳の数え方は、新年がくるたびに一つずつ歳を加えた)、死に近づくということで、複雑な心境がうかがえる言葉。

●書き初めの燃えさしが高く上がるほど、字が上手になる
正月二日に書いた書き初めを、小正月に持ち寄って焼く行事があり、そのときに燃えさしが高く舞い上がるほど、「手が上がる」つまり「上手になる」といって喜んだという。

●どんど焼きで焼いた餅を食べると丈夫になる
左義長と呼ばれる行事が原型で、焼いたときの煙に乗って、年神様が天に帰っていくと信じられ、この火で焼いた餅を食べると、一年間病気にならないといわれた。

スポンサーリンク

シェアする