人妻のことを「奥様」という理由

結婚している女性のことを呼ぶときには、昔から奥様、奥さん、などと呼びます。
これは昔から変わっていませんが、私は最近になって現代にはそぐわない呼び方ではないかと思うようになりました。
奥様と呼んでいたのは、女性は結婚すると専業主婦になり家を守っていく、つまり「表に出ずに奥にいる存在」であった時代の話です。今や共働きがあたりまえで、女性の社会進出なんて話題にするのも恥ずかしいぐらい当然の社会になっています。
この時代を経て、長きに渡って呼ばれる「奥様」に付いて知りたいと思いました。

目次

奥様とは?

「奥様」という言葉は、日本語で「主婦」や「夫人」を意味する敬称の一つです。一般的に、結婚している女性に対して使われます。しかし、最近では、女性の社会進出や多様化が進んでいるため、この言葉を使うことについては、個人の価値観や文脈によって意見が分かれることもあります。

いつから奥様という呼び方が使われるようになったのか

「奥様」という言葉は、明治時代(1868年〜1912年)になって一般的に使われるようになりました。当時、女性が結婚すると、夫の家庭の「奥」に入ることになり、そこで家事や育児に従事することが一般的でした。そのため、結婚して夫の家庭に入った女性を「奥様」と呼ぶようになったと言われています。しかし、現代では、女性の社会進出や家庭の多様化が進んでいるため、「奥様」という呼び方に対しても、時代に合わせた見方や議論があることも事実です。

「奥様」の由来は昔の女性に対する価値観から?

「奥様」の「奥」という言葉は、本来は「おく」という言葉が転じたもので、建物や場所の奥深い部分を表す言葉です。そして、妻が夫の家庭に入り、家庭の奥深い部分で家事や育児に従事することにくわえて、さらに夫に仕える立場にあることから敬意を表して「奥様」と呼ばれるようになったという説があります。

江戸時代の「奥」といえば?

江戸時代における「奥」とは、一般的には、大名や武家などの上流階級の居住区域で、家臣や使用人、女中たちが生活する場所を指します。この場所は、外から見えないようになっており、外部の人々が入ることは許されず、非常に閉鎖的でした。このような場所を「奥」と呼び、女性たちはこの中で家事や子育て、また、主人の接待などを担当し、男性たちは政治や軍事などの外部での仕事を担当するという、厳格な性別役割分担が行われていました。

また、「奥」は、家臣や使用人たちが生活する場所であったため、その中にはさまざまな階層や立場の人々が存在し、それぞれの身分や地位に応じたルールが存在しました。そのため、「奥」の中での立場や地位によって、待遇や扱いが異なることがありました。

江戸時代でも既婚女性を奥様と呼んでいたのか?

江戸時代には、既婚女性を「奥様」と呼ぶ習慣はありましたが、その使われ方や意味合いは、現代の「奥様」とは異なるものでした。

江戸時代においては、一般庶民の場合、結婚した女性に対しては「お嫁さん」と呼び、夫の家庭で家事や育児を担当することが一般的でした。一方、武家や貴族の場合、女性たちは「女房」と呼ばれ、夫の家庭内で厳格な役割分担が行われていました。その中で、女性たちが主婦として家事や育児を担当する部分を指して、「奥様」と呼ばれることがあったとされています。

ただし、江戸時代においても、「奥様」という言葉は一般的ではなく、一部の階層や地域において使用されていたと考えられています。また、江戸時代においては、女性たちの社会進出が制限されていたため、「奥様」という呼び方が広く一般的に使われるようになるのは、明治時代以降のことでした。

江戸時代の武家における「大奥」や「奥女中」とは

「大奥」とは、江戸時代に存在した、将軍家や大名家の正室や側室、またはその家族や女中たちが暮らす場所を指します。将軍家の場合、将軍の正室や側室が住む「御所」や、「大奥」と呼ばれる「御三階」「小御所」などがありました。大名家の場合には、主君の正室や側室、およびその家族や女中たちが住む場所を指します。

「奥女中」とは、江戸時代に大奥や大名家で女中として仕えた女性たちのことを指します。奥女中は、大奥や大名家の正室や側室、またはその家族や女中たちの世話をすることが主な役割でした。奥女中たちは、厳しい規律と規則に従い、一定の階級制度があり、実際には上下関係の厳しい閉鎖的な社会を形成していました。ただし、奥女中の中には、芸事や文学、音楽などに才能を発揮する者もいたため、時には社交界や芸能界に進出する者もいました。

現代ではどんなときに「奥様」を使うのか

現代においては、「奥様」という言葉は、結婚している女性を敬意を込めて呼ぶ場合に使われます。一般的には、夫婦や家族の中での呼びかけや、公式的な場面や接客業などでの丁寧な言葉遣いとして使われることが多いです。

また、「奥様」という言葉には、一定のステレオタイプが存在しており、専業主婦や夫に尽くす妻といったイメージがあるため、それに当てはまらない場合には、使われないこともあります。また、相手が自分自身を「奥様」と呼ばれることに違和感を感じる場合もあります。
時代がもう少し進めば死語になるかもしれません。

変わっていく「妻」の呼び方

現代においては、夫婦間での呼び方は、様々なパターンがあります。
夫から妻を呼ぶ場合は「奥さん」や「妻」、「あなた」などが使われることがあります。また、名前やニックネームで呼び合う場合もあります。

昔の「女房」という呼び方は、朝廷につかえる女官の部屋、または女官の呼称で、紫式部、清少納言なども、夫のあるなしにかかわらず「女房」と呼んでいました。
これが後には貴族や将軍家につかえる女性の呼称になり、江戸時代には妻の意味となったという。

「細君」は、現在では「(君の)細君は元気ですか?」というふうに、人妻のことを指しますが、もとは他人に対して自分の妻をいう言葉でした。

細君、家内、奥方、うちのやつ・・・現代の若い夫はパートナーを名前で呼ぶのが普通ですが、子供ができると「ママ」に変わります。

一方、接客業などでの呼び方としては、「奥様」のほかに、や「ご夫人」、「お客様」といった言葉が使われることがあります。また、若い女性や夫婦の関係性がよくない場合には、「お姉さん」や「あの方」といった表現が用いられることもあります。ただし、相手が自分自身をどのように呼ばれたいかを尋ねることが望ましいです

よかったらシェアしてください!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次