お風呂の石鹸では落とせない!ケガレと、お籠りの儀式

お祭りで神に奉仕する人は、当日までの一定期間は心身を清らかにするために「物忌み」をします。

神はケガレを嫌い、清浄であることを好むからです。
もしも祭りの奉仕者にケガレがあれば、神は降臨されず、逆に怒りを買い神罰が下ると考えられています。

でも俗世に生きていると、何かとケガレを積み貯めてしまうもの。
誘惑にあふれた俗世から隔離された特別な場所に「お籠り」して、精進潔斎の日々を贈る必要があるのです。

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現代の人間的な生活や習慣は一切禁じられる厳しい日が続く

お籠りをする場所は、専用に設けられる場合もあるし、民家を清めてその場所を使う場合もあります。

周囲には注連縄を張ったり、榊などを立てたりして、中は聖域なので、結界(修行に障害のないよう、ある地域を聖域として定めること)を張って外部のケガレを遮断します。

肉親であろうとも関係者以外立入禁止になります。

お篭もりに入ると清浄な火で煮炊きした清浄な食物だけを食べるので、動物の肉、生もの、臭気や刺激の強い植物は食べません。

朝な夕なに水を浴びたり、水に浸かったりして、禊をします。
身につけるのは清浄な衣で、携帯品も制限されます。
大声を出したり、歌ったり、笑ったりしてはならならず、音を立てずに静かに過ごします。
忌み言葉を使うことも厳禁です。
かみそりを顔にあてたり、櫛で髪をとかしたりもしません。
その他、地域によって様々な禁忌(タブー)があるのだが、いずれも外部との接触を断ち、厳重な物忌み生活を送るという条件は同じです

この状態が普通は約1週間ぐらい続きます。

禊で祓い、物忌み生活により神が懸かる状態へ

昔の日本人は、身がケガレると病気、不幸、不運といったよからぬことが起こると考えました。

このケガレを取り払うのがお祓いです。
古代から伝わる最も古いお祓いの方法が、です。

水によって心身のケガレを洗い浄めることであり、「身削ぎ」という意味もあります。

禊によって肉体が変化すると考えられ、さらに厳しい物忌み生活を送れることで、普通ではない精神状態、つまり「神懸かり」しやすい状態になります。

物忌みというと、とかく禁忌の厳しさが目立ちますが、人間にとっても自分の心身を一新することができ、神の霊力を分け与えてもらえるのだから、めでたいことであり、ありがたいことだと考えられます。

妖怪の伝承は、厳しい物忌み生活から逃亡させないために生まれた?

正月や12月8日、2月8日は「コトの日」と呼ばれ、事始め、事納めの日などに、村中が、山入りや夜の外出を慎み、仕事を休み、家で静かに物忌みをするという地方は多い。

この戒めを破って夜外出し、神主の夜行に会うと「いすくみ」(金縛りのこと)になるとか、「やぎようさん」という魔神がいるといって恐れる地方があります。

仕事をしてると「ようかぞ」というお化けが出るとか、ミカワリ婆さんという妖怪が出るなどという地方もあります。

禁忌を守らせるための戒めが、禁忌を侵すことへの恐れをもたらし、その恐れが妖怪を生み出したものと考えられています。

血のケガレ、死のケガレは特に忌み嫌われ、出産のケガレを「白不浄」、生理のケガレを「赤不浄」、死のケガレを「黒不浄」といい、お産をしたばかりの女性、生理中の女性、身内に不幸のあった者は、一定期間、祭りに参加することも、神域に近づくことも許されなかった。

今日でも、祭りが近づくと村や町の境に榊を立てたり、幟を立てたり、注連縄を張ったりすることで外部のケガレが遮断され、村や町中が物忌みすることができ、祭りの当日には地域全体が神域となると信じられているのです。

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