お稲荷さんはどうして「五穀豊穣」から「商売繁盛」の神様に変わったのか

お稲荷さんと聞いて、一番最初にイメージするのは、たくさん並んだ赤い鳥居ではないでしょうか。

そして狛犬のようににらみを利かすお稲荷さんの姿。

現代の流行では、キツネ様のお告げで音楽活動をしているというメタルダンスユニット『BABYMETAL』が世界的に話題です。

そんな流行もあるので、海外のほうからもその意味を知ってか知らずか、お稲荷様が関心を集めているようです。

お稲荷さん

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稲荷神社は日本一多い神社

赤い烏居に、小さな祠、祠のまえには二尾のキツネ。八幡様同様、神様として誰もが知っているお馴染みのお稲荷さんです。

あなたの知っている稲荷神社は、どんなところにありますか?

稲荷神社は大小様々で、小さな路地から都心のオフィスビル街の片隅、それにデパートの屋上まで日本全国あちらこちらにお稲荷さんを見ることができます。

稲荷社の数は、日本の神社のなかでいちばん多く、日本の各地どこへ行っても見ることができます。

それだけ日本人に広く親しまれてきた神様なのです。

お稲荷さんは、字のとおりもともとは稲に関する神でした。

農作物の五穀をつかさどる倉稲魂を祭っています。

稲荷大明神はその尊称で、全国のお稲荷さんの総本社は京都の伏見稲荷神社です。

お稲荷さんは、農耕民族の日本人が求め、その生活習慣と風土にぴったりの神なのです。

お稲荷様をはじめ、なぜ神社の鳥居は赤いのでしょうか?

伏見稲荷大社では、稲荷大神様のお力の豊穣を表す色として説明されています。

しかしこの赤色(朱色)には、躍動感を表す色であると同時に災いを防ぐ魔除けの意味もあります。

さらにこの色の原材料は水銀です。水銀は昔から木材の防腐剤として使われてきたので、それも理由の1つかもしれません。

農業の神様から、商業の神様へ

やがて産業の中心が農業から商業へ移ってゆくと、お稲荷さんの御利益も「五穀豊穣」から「商売繁盛」へと変わっていきました。

豊かな実りを約束してくれるという意味では、農作物もお金も同じ意味だと考えたからでしょう。

庶民の身近な神さまだけに小むずかしいことはなく、融通がきくと信じられ、現世的なお願いごとをするには、頼もしい神です。

2月初めの午の日、すなわち初午の日は、稲荷大明神のお祭りの日です。

伏見稲荷の神がこの日に降りてきたという言い伝えが祭日の元になっています。

この日にお稲荷さんに油揚げを供えるのは、お稲荷さんに仕えるキッネが油揚げが好きだと考えられたからです。

油揚げに寿司飯をつめたものを稲荷寿司というのは、ここから来ています。

鳥居の無い稲荷神社

お稲荷さんは、鳥居があるから神社だと考えるのが普通ですが、例外もあります。

それが豊川稲荷の存在です。

江戸の名奉行、大岡越前が信仰したことで知られる豊川稲荷は、実は「お寺」なのです。

豊川稲荷の正式な名称は、円福山妙巌寺。

本尊は茶棋尼天という仏法の守護神です。

茶棋尼天はもとは夜叉または羅利の一種であったが、仏に降伏させられてからは善神となり、日本では平安時代には、その本体は霊狐とみなされるようになった。

これが日本に古くからあるキッネを田の神の使いとする信仰と結びつき、稲荷、茶棋尼天、キッネが習合したと考えられます。

おおらかに神仏を習合させていった日本人の宗教観が、ここにも表れています。

なお、豊川稲荷の本山は、愛知県にある曹洞宗の古い寺です。

豊川稲荷にも、もちろんキッネがいます。だが、豊川稲荷はお寺なので、お堂の前では柏手は打たず、静かに合掌のみします。

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