「ケチ・油断・ろくでなし」偏見,嫌味,悪口を連想する日本語の語源

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感情にまかせて、つい口をついて出てしまう言葉や、心に浮かぶ言葉が私たちにはあります。
日本人はとても感情豊かで、それを言葉に表現するのもとても上手です。
その言葉の語源を紐解いていくと、その言葉に秘められた意外な真実を知ることができるかもしれません。

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「ケチ」は縁起が悪い言葉なのか?語源は「怪し」「怪事」から来ている

絶対に必要以上にお金を払わない人、自己犠牲を惜しんで他人にばかり頼る人など、しみったれた行為をののしって「ケチ」とよく言います。また小心者で卑怯な人と対したときに、「けちな奴」とか「けちな根性」と言います。
このように人に対して使うときは、どうにもなさけない人物のことをいう言葉です。

そして不景気は「けちな時世」と表現します。
「けちが付く」は、縁起の悪いことが起こる、転じて、物事の進行がうまく進められないことをいう。
「けちを付ける」といえば、人のすることをけなすという意味。

このようにケチという言葉は、実にさまざまな印象をもって使われている言葉です。
「けち」は、古くから「怪」「怪事(けじ)」のなまった語といわれています。
つまり、怪しいこと、不思議、不吉なこと、縁起が悪いという意味がもとにあり、それがさまざまに転じたのです。
江戸時代以降になると、ケチは「粗末で貧弱なさま」「いやしい」などの意味を持つようになり、現在の意味に転じていったという。

「油断」の語源になったおっかない家臣の仕事のお話

「客のフリして社員を引き抜きにかかるんだから、油断もスキもないよ」「世の中、油断がなりませんねェ」。
うっかり気を許して注意を怠ることをいう言葉ですが、「油断」という言葉の成り立ちは、『涅槃経』に書いてあります。

王様が、一人の家臣に油の入った鉢を持たせて街の通りをゆくと、こう申し渡した。
「もし、一滴でもこぼしたら、お前の命を断つぞ」。
家臣の背後には、刀を抜いた監視人を控えさせた。
そこで家臣は、細心の注意を払って油鉢を捧げ、無事に役目を終えたという。

ここから、「油鉢」の「油」と、「命を断つ」の「断」とで、「油断」となったとか。
よく使う「油断大敵」も、油断は物事の失敗の原因となるから、大きな敵であるの意。
だからいつも気をひきしめなさいと、さきの王も家臣に骨身に覚えさせたのであろうが、こんな上司はご免こうむりたいものです。

「ろくでなし」のろくは「陸」からきた言葉

「ろくなことをしない」「ろくに読みもしないで」「ろくすっぽ」などの「ろく」は、漢字の「陸」と書く。

「陸」は、土地の平なこと、平坦なという意味で、そこから物事のゆがみがなく正しいことをさすようになったそうです。
その状態を否定する意味で「ろくでなし」は、平らに整えられていないということから、役に立たないという意味になった。

「ろく」とか「ろくでなし」は古くから使われています。
『浮世風呂』に「私共もろくではございませんが」とあります。
「人にお隠しなさるはどうでろくな事ではあるまい」とは、浄瑠璃『先代萩』の一節。
※浮世風呂は、式亭三馬が書いた滑稽本。文化6年から文化10年にかけて刊行された。

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