初対面乗り切る会話術(緊張は誠実な印象、相手のニーズほめて引き出す)

ビジネスでは、初対面で取引先などに与える印象が、その後の仕事を左右することが少なくありません。
一方で初めて会う時は緊張したり、話す内容に悩んだり、苦手と感じる人は多いものです。
初対面にどんな準備をし、どう対応をすればよいのか。専門家の言葉を集めてみました。

初対面の会話
目次

話を聞く姿勢で会話すること

初対面で禁物なのは、なれなれしい態度です。

相手をよく知らないのに、自分の都合で話をすすめるのは身勝手な印象も与えてしまいます。
緊張を保ちつつ、笑顔やうなずきで場を和ませ、相手の話を聞く姿勢を取るようにしましょう。
それが初対面の第一歩です。

無論、ビジネスでの初対面はあいさつだけでなく、取引などのお願いであることが多いもの。
会話の本題は、商材や企画を紹介することにあります。
だからあいさつをして、いきなり本題、というやり方もあるけど、それでは自分という人間を十分に知ってもらえないでしょう。

そこで次に大切になるのが、つなぎの雑談。
雑談が苦手な人は「ネタ」がないからでしょう。
だからものを言うのは情報収集です。

趣味や出身地など共通点があると、親近感を持って話してもらえるもの

初対面の人と会う際は事前に知人やインターネットなどを通じ、相手の情報を収集し、準備をしておきましょう。
出身地などの話題は、ひととなりを伝えやすい面もあります。

相手への関心を自然にアピールするのもポイントの一つ

例えば、重要な顧客と初めて会えた時は、「仕事をお会いする口実に使ってしまいました」と、個人として会いたかったという思いを伝えるといい。

「今日は何かいいことがあると思っていました」など、出会いを印象付ける言葉も効果的です。

自分をワンフレーズで表現する言葉も用意しておく

自己紹介では、経歴や強みを説明する必要があるが、長々と語っても相手が覚えてくれるとは限りません。印象が薄ければすぐに忘れます。

だからあえて「訪問しないで売る営業コンサルタント」と名乗って、営業レターだけで顧客の心をつかむ自分の実績をアピールする人もいます。

自分の強みを意外な言葉で表現することが、強い印象を残すカギになります。

仕事の話題にはいったら、相手の魅力を説き、その上で役に立ちたいという姿勢を徹底しよう。
「御社の〇〇はとても魅力的な商品です。
その魅力をさらに高めるお手伝いをしたい」などと、具体的なやり方を説明していこう。

質問攻めに注意

初対面で相手に「何か悩みはありませんか」などと切り出す人がいるが、これは禁じ手です。
これを言ってしまうと、相手にいきなり自分や会社の弱みをさらけ出せというようなもの。
情報収集不足、つまり相手への関心があまりないと受け取られる可能性が大きい。

相手のニーズがまだわからず、聞き出す必要があるなら、むしろほめる方が効果的だ。
ほめられると悩みを打ち明けたくなるのが人間。

「繁盛されてますね」「順調でうらやましいです」などのほめ言葉には、そのまま受け止めるより、謙遜する人の方が多い。

「本当はそれほどでもないんですよ」。
相手がこんな反応をしたら、本音や要望を引き出すきっかけになります。

話がスムーズに進みだしてから注意したいのは、質問を矢継ぎ早にしないこと。

この段階でも耳を傾け相手の話を引き出す姿勢が基本。

例えば相手に「今、□□を購入しようか考えていて」と打ち明けられた際も、必要な数や納期などの質問をたたみかけない。
「□□は便利ですね。当社もこんなタイプを用意しています」などと、あくまで提案する姿勢を示すと、安心感を与えられるでしょう。

気を付けたい言葉遣いもある。
相手の言葉をダメ、違います、などの否定語で返すのはNG。

「いや」「ではなくて」も、相手の話の腰を折るので避けた方がよい。

自ら望んだ初対面でも、その場は相手のためにあります。
意見が違っても、まず受け入れること。
相手を尊重する姿勢が、ビジネスのパートナーになる第一歩なのです。

会話がスムーズになったら、次に会う雰囲気作りも考えよう。
決め手は「別れ際の言葉」。

「話が終わりませんね。また改めてお時間をいただけますか」
「ご紹介したい人を思いつきました」などの言葉で、次回の約束を取り付けられれば、上々です。

相手を尊重する自分を存分に表現して、初対面の苦手意識を克服しよう。

※2014/06/23 日本経済新聞より

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