神社は八百万の神々の領域であり、神と人が対話する場所。神社の起源を考える。

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神が人々の祭りを受ける場所は聖域と俗世の境界がある「聖」の側、すなわち神域です。

日本には大なり小なり神社がいたるところにあります。
伊勢神宮や明治神宮のような日本を代表するような神社から、オフィスビルの屋上にある神社、街の路地裏にひっそり佇む神社、住宅地で人々から親しまれている神社、山の中にひっそりとある神社など、どこにでもあります。

社とは、神の降りてくる場所、あるいは神を祝い祭る聖なる殿舎をいう。
全国に、大小あわせると八万とも十万ともいわれる社があります。

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神域としての神社

神社に行くと由緒書きを見ることができます。
そこには神社の成り立ちと、何の神様が祭られているのかが書かれています。
それぞれ素性のある神が祭られおり、例えばお稲荷さんが祭られていれば、稲荷神社という具合です。

今では普通に〇〇神社という具合に名前を口にしますが、昔から神社に名称が付けられていたわけではありません。

地域の小さな神社、例えば村はずれにあるようなものは単に「お社(やしろ)」とか「森の鎮守さま」と呼んでいました。

広く名称を持つようになるのは、江戸時代頃からだといわれます。
意外ですが、神社が今日見るような形に整ったのは、神道の発生の歴史から見れば後のほうです。

人々は、森や山のような場所の一角を神域とし、神を祭るようになりました。

しかし、いつもそこに神に仕える者、今で言う神主さんや神職にあたる人がいたわけではありません。

ほとんどの神社は人が住み込むようなものではなく、年ごとに交代するなどして村の人々が代わる代わるお守りしたものです。
あるいは祭りのあるときにだけ、神主が来たりしました。

仏教に大きな影響を受けたことがきっかけで、神社に社が造られるようになった

社殿やそのほかの施設が造られたのはずっとのちのことで、そのきっかけは仏教寺院でした。

仏教は6世紀、正確には538年に百済から日本に伝わり、聖徳太子という強い味方を得て、飛鳥時代に根づいていました。

国家権力に護られて盛大に花開くのは、奈良時代です。

そのとき建てられた華やかな寺院に影響され、神社は社殿などを造るようになったのです。
元々自然の状態そのものを神域としていたのですが、信仰の対象を目に見える形で表現した仏教のやり方に当時の神職が危機感を覚えたのか、それともそのほうが信者を集めやすいと安易に思いついたのかはわかりません。
でも形あるもののほうがわかりやすく、信じやすいというのはある意味、人間の弱さなのかもしれません。

同時に自分たちの神々を社という箱の中に閉じ込めて、独占したいと思ったのかもしれません。
こうして自然の中に普通に存在していた神々が、人間の強欲によって都合がいいように、自然界と切り離されていくのです。

神社の生い立ち

神社の生い立ちは、時代背景を反映して実に多彩です。

古代からそこにあるという神社。
貴族や武士の後ろ盾で構えられた神社。
庶民によって造られた神社。
国家がパトロンとなって設立された神社、とさまざまです。

祭られる神にも移り変わりがあって、霊験とその信仰も多様です。

これらの神社にはそれぞれの役割があるのですが、大別すると二通りの神社に分けることができます。

産土型の神社

産土とは、人の生まれた土地をいう。
「産土神」といえば、生まれた土地の守り神のことです。
このスタイルの神社は、本来の性質からいえば、その土地以外の人々が参拝したり、個人がお参りしたりする神社ではない。
地元の人々が五穀豊穣を祈ったり、豊作を感謝して祭りを行ったりする神社なのです。
全国にある神社のほとんどが、この型の神社です。

勧請型の神社

「勧請」とは神の分霊を請じ迎えることです。
つまり勧請型の神社とは、ある神社の神の分霊を移して祭る、そのために建てられた神社です。
天満宮、八幡宮、稲荷神社など、有名な神社の多くがこのスタイルです。

江戸時代からこうした有名な神社や寺めぐりは人々の楽しみで、それを目的に旅に出ることも多かった。
「お伊勢参り」と呼ばれる伊勢神宮への参拝は、一生に一度は行ってみたい旅でもあった。

「神宮」や「大社」はどう違うのか?

神宮といえば伊勢神宮をさし、大社といえば出雲大社をさす。

「神宮」とは神のいる宮殿をいう。

つまり「伊勢神宮」は通称であって、正式には伊勢にある「神宮」なのです。

また「大社」は、神社の格を大・中・小に分けた第1位の神社という意味です。

「出雲大社」も伊勢神宮同様、出雲にある「大社」ということになります。

伊勢神宮と出雲大社では、どちらの格が上なのか?

伊勢神宮は古来もっとも格式のある神社です。
しかも奈良時代の律令制では、「大社」と定められています。
ここに祭られているのは、皇室の祖神である天照大神と、五穀を司る豊受大神です。
だからこそ国家から天皇に準じる最高の扱いを受けてきており、神社の原点だといわれます。
ちなみに戦後は政教分離で、国家の関与はない。

出雲大社は古来、伊勢神宮と並び称される大社だといわれます。
主神は大国主神です。
縁結びの神として馴染みが深く、今でも新しい結婚式場などが造られると、出雲から大国主神の分霊を勧請して祭る。

双方ともに日本神話に登場する神々を祭っているが、伊勢神宮は神々の頂点に立つ天照大神を祭っているから、軍配はこちらに上がるのではないだろうか。

以上、神社は八百万の神々の領域であり、神と人が対話する場所。神社の起源を考える、でした。

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