祇園祭、夏祭りは厄を祓う「水祭り」である

夏の京都といえば祇園祭です。
もともとお祭りと言えば、春と秋に行うのが定番です。
それは特に農村部で、稲作と結びついた祭りが中心であるため。
だから、夏の祭りの意味合いは、稲作と直接関係の無い厄払いや、魔除け、邪霊送り、虫封じなどが多い。

昔は現代のように医療が発達していなかったので、夏の暑さで病に倒れたり、食中毒を起こすと死に至ることがよくありました。
そうならないための神頼みとして、お祭りが行われるようになったと考えられます。

京都祇園祭の起こり

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京都祇園祭の起こり

京都・八坂神社の祭礼、祇園祭は、悪霊払い、疫病退散の祭りです。
全国に数多い祇園さん、天王さまの祭りは、もとは旧暦の六月(現在の七月、八月)に行なわれました。

貞観11年(869年)、京の都をはじめ全国に疫病が流行し、怨霊を鎮め疫病を退散させるために祇園御霊会(ぎおんごりょうえ)を行なったのが、祇園祭の始まりといわれています。

平安京の広大な庭園・神泉苑に当時の国の数と同じ66本の鉾を立てて祇園さん(八坂神社)を祀り、御輿を送ったということから、穢れを水に流して祓おうとしました。

御霊とは、恨みを抱いて死んだ人の怨念が様々な災厄をもたらすという信仰で、その荒ぶる御霊を鎮める祭りが御霊会です。
御霊信仰は平安中期以降盛んになり、祭りもしだいに華美になっていきました。

この華やかな祭りに影響される神社が続出し、悪霊退治の祇園信仰と結びつき祇園祭は全国に広がっていったのです。

神泉苑

病気になるのは病魔のせい、水難は水魔の仕業

やがて祇園祭と農村の水神祭りが結びついて、六月から七月にかけて、海辺や山辺で御輿を担いだり、水中に御輿をつけたり、御輿に水をかけたりする祭事が広がりました。

夏は水害、水難だけでなく、疫病も流行りやすく、病害虫も多い。エネルギーを消耗し夏バテしやすい季節です。

昔の日本人は悪霊や邪気が厄疫をもたらす、と信じていました。
魔、悪霊、邪気が身体につくと、魂が衰え、病気などの禍がもたらされると考えられたのです。

病気になるのは病魔のせいで、水難は水魔の仕業とされました。
こうした魔や邪気の類を「虫」ともいいます。

だから「虫除け」「虫封じ」というのは、魔除けという意味があります。
夏はこうした虫が活発に動き出す季節と考えられていました。
だから禊ぎ祓いが必要なのです。

青森県ねぶた祭の起こり

夏バテするのは、魂が衰えているからといいます。
昼間眠たくなるのはその証拠で、睡魔に襲われやすくなっているのです。

昔は睡魔に負けて不用意に眠ると、魂は浮遊しやすくなるといわれました。

そこで眠気封じの祭りも各地で行なわれるようにななりました。
青森県のねぶた祭り、ねぷた祭りの「ねぶた(ねぷたことは、「眠たい」という意味で、睡魔を海(川)に流し健康を保つための鎮魂祭なのです。

秋田でも七月に「ねぶり流し」という行事があり、長野にも「おんねぶり」という行事があります。

ねぶり流し

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