最大限に感動したときに使う「圧巻」とは?

圧巻の語源と言葉の使い方

私は壮大な風景を目にした時に「この絶景は圧巻だなぁ」と、自分の想像を超えた景色や場面に遭遇した時に「圧巻」という言葉を使います。
でも巻は巻でも巻物ではありません。圧迫されて苦しいイメージもありません。そう思うとこの言葉の意味と、漢字の組み合わせがちぐはぐのような気がしてきました。

目次

「圧巻」の意味

「圧巻」とは、驚くべき風景や演技、芸術作品などが非常に印象的で、見る人を圧倒するような感動的なものを指します。例えば、山頂から眺める大パノラマや、劇場や博物館などでの展示物や、演劇や音楽のパフォーマンス、映画の名シーンなどが圧巻と評されることがあります。また、スポーツの試合でも、選手のプレーが圧巻だったと言われることがあります。

「圧巻」という言葉を使い方

その演技は本当に圧巻だった。
彼のプレイは他を寄せ付け圧巻だった。
あの映画のラストシーンは本当に印象的で圧巻だった。
あのアスリートのパフォーマンスは圧巻だった。

「圧巻」という言葉は、非常に印象的で素晴らしいものを表現するために使われるので、ポジティブな印象を与える表現として用いられます。
また、景色についても「圧巻」という表現を用いることができます。例えば、以下のように使うことができます。

山頂からの眺めは圧巻だった。
海岸線沿いのドライブは本当に圧巻の風景だった。
夕焼けが空を染める様子は圧巻の美しさだった。

自然の景色や美しい建造物、街並みなども、圧倒的な美しさを表現するために「圧巻」という言葉が使われます。

「圧巻」という言葉の由来

「圧巻」という言葉は、もともとは江戸時代に漢詩を詠む際に用いられた「圧韻」という表現から派生したものです。江戸時代には、漢詩の詠み方に「韻」という音の響きを重視する文化があり、詩の最後の言葉が同じ音を韻として用いることが一般的でした。その中でも、韻が圧倒的な印象を与えるものを「圧韻」と呼んでいました。その後、この「圧韻」が「圧巻」という言葉に変化し、美しい演技や見事な出来事を表現する言葉として用いられるようになりました。現在では、さまざまなものに対して用いられる表現として定着しています。

もうひとつは「圧巻」はもとは中国故事から生まれた言葉という説。
古代の中国では、官吏登用試験(科挙)の発表のとき、すべての答案(巻)の中、最優秀の答案を一番上に載せる習慣がありました。つまり、最優秀の答案が他を圧するという形になるように置いたのです。
そこから書物の中の最もすぐれた部分、他を圧倒するほどすぐれた詩文を「圧巻」というようになりました。
さらに書物に限らず全ての物事において、人を感動させるすぐれた場面や対象にも「圧巻」を使うようになったのです。

圧巻と同じ意味の言葉

「圧巻」と同じような意味を表す言葉としては、以下のようなものがあります。

壮観(そうかん):
見事で美しい景色や出来事を表現する言葉。圧倒的な迫力や豪華さを表現することができる。
驚異(きょうい):
驚くべき出来事や才能などを表現する言葉。圧倒的な印象を与えるものや、想像を超えるような素晴らしいものを表現することができる。
奇跡(きせき):
不思議な出来事や、あり得ないような偶然の出来事を表現する言葉。圧倒的な感動や驚きを表現することができる。

これらの言葉は、「圧巻」と同じように、見事な出来事や素晴らしいものを表現する際に用いられる言葉であり、強い印象を与えることができます。

絶景(ぜっけい):
美しい景色や風景を表現する言葉。特に自然の美しさや壮大さを表現する際に用いられます。
壮大(そうだい):
大きくて荘厳な様子を表現する言葉。自然現象や建造物など、非常に大きなものや迫力のあるものを表現する際に用いられます。
華々しい(はなばなしい):
華やかで派手な様子を表現する言葉。人物の活躍やイベントなど、輝かしいものを表現する際に用いられます。
雄大(ゆうだい):
大きくて迫力のある様子を表現する言葉。自然や文化遺産など、人間の手が加えられていないものを表現する際に用いられます。

これらの言葉も、「圧巻」と同じように、見事な出来事や素晴らしいものを表現する際に用いられる言葉です。ただし、それぞれ微妙なニュアンスの違いがあるため、文脈や用途に応じて使い分ける必要があります。

歴史上語られる圧巻のパフォーマンス

圧巻のパフォーマンスとして歴史に残るものはたくさんありますが、ここではいくつか代表的なものを挙げてみます。

ベートーヴェンの交響曲第9番
ベートーヴェンの交響曲第9番は、合唱付きの交響曲として有名です。この曲は、4楽章からなり、最終楽章では合唱が入り、「歓喜の歌」として有名な旋律が奏でられます。この曲は、ベートーヴェン自身が聴力を失っていた時期に作曲され、自らの苦悩と希望を表現しています。また、合唱による「歓喜の歌」は、愛と平和を訴える力強いメッセージを持っているため、圧巻のパフォーマンスとして知られています。

バレエ「白鳥の湖」
「白鳥の湖」は、ロシアの作曲家チャイコフスキーが作曲したバレエ曲です。この曲は、美しいメロディーと優雅な舞踊で知られており、特に「白鳥の踊り」は、美しく滑らかな動きと緻密な演技で観客を魅了します。また、物語の中心となる白鳥の女性たちは、恋と自由を求めながら苦悩する姿が描かれており、ドラマチックな物語も見どころの一つです。

シェイクスピアの戯曲「ハムレット」
「ハムレット」は、イギリスの劇作家シェイクスピアが書いた戯曲で、物語は王子ハムレットの復讐劇を描いています。この作品は、人間の内面の葛藤や哲学的な問いに深く迫った内容で、言葉の響きや劇中の演出が見事であることから、圧巻のパフォーマンスとして知られています。また、主人公ハムレットを演じる俳優が多くの場合、その演技力で観客を圧倒することがあります。

以上のように、音楽や演劇など、さまざまな分野で圧巻のパフォーマンスが存在しています。

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